2019 Fiscal Year Research-status Report
腎癌予後不良性遺伝子群を包括的に標的とする癌抑制性miRNAの同定
Project/Area Number |
19K18583
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神宮司 健太郎 大阪大学, 薬学研究科, 特任講師(常勤) (80707571)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 癌抑制性miRNA / 癌微小環境 / 腎癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
予後不良性である552遺伝子の大部分を標的とし、かつ腎癌組織にて最も発現低下しているmiR-124-3p、miR-192-5pに着目した。2019年度は、腎癌に対する候補miRNAの薬理作用を①腎癌細胞、②間質細胞に分けて解析した。 (1) 腎癌細胞に対する候補miRNAの薬理作用の評価 腎癌細胞株(786-O、Caki-1、Caki-2、ACHN細胞)における2種の候補miRNAの発現量を測定し、最も発現量の低い細胞株に候補miRNA mimicをトランスフェクションすることにより、候補miRNAを過剰発現させた際のin vitro表現型解析を行った。腎癌細胞株では4種全てにおいて正常腎組織と比較し、2種の候補miRNAの発現は顕著に低かった。2種の候補miRNA mimicによって、腎癌細胞株の細胞増殖能・遊走能・浸潤能が濃度依存性に低下した。In vivoにおける候補miRNAの評価を目的にtet-onシステムを導入した安定高発現細胞株を作成した。 (2) 間質細胞に対する候補miRNAの薬理作用の評価 間質細胞に対する候補miRNAの有効性を検証した。上記552遺伝子の含有率が高く、その取り扱いが比較的容易である血管内皮細胞に着目した。血管内皮細胞HUVECに対して候補miRNA mimicをトランスフェクションし、管腔形成に対する影響を血管新生アッセイにより評価したが、候補miRNA mimicによる顕著な作用は見られなかった。腎癌細胞株との共培養を経た血管内皮細胞を用いて同様の検討を行ったが、候補miRNA mimicによる顕著な作用は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Tet-onシステムを用いた候補miRNA安定発現細胞株の樹立に予定よりも長い時間を要してしまい、候補miRNAのin vivoにおける検討が行えていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、まずアログラフト担癌モデルマウスを用いてin vivoにおける候補miRNAの効果を検証する。形成された腫瘍の体積、重量より候補miRNAの抗腫瘍作用を評価する。また、その分子メカニズムの解明には、各種癌微小環境構成細胞に対するマーカーを用いて、候補miRNAによるその細胞種ごとの割合や活性に対する評価を行う。候補miRNAによる変化が見られた細胞種に対しては更なる分子メカニズムの解明を目的に、in vitroにおける表現型解析を進めてゆく。
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Research Products
(1 results)