2019 Fiscal Year Research-status Report
精索静脈瘤の男性不妊に及ぼす機序の解明と新規治療薬としてのシリコンナノ粒子の応用
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19K18584
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲垣 裕介 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80804400)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 男性不妊 / 精索静脈瘤 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の作成した精索静脈瘤ラットモデルでは精巣上体精子の運動率が低下することがわかっている。まずこのラットモデルを用いて、精索静脈瘤により悪化した精子運動率がシリコンナノ粒子製剤の摂取により改善するかという点について明らかにするために実験を行った。 8週齢の雄性SDラットを用い精索静脈瘤モデルを作成した。モデルの妥当性を検証後、精索静脈瘤普通餌群、精索静脈瘤シリコン餌群、sham手術普通餌群、sham手術シリコン餌群の4群に分けた。4週間後に精巣上体の精液所見を比較した。 精子運動率はsham手術普通餌群74.4%、精索静脈瘤普通餌群57.6%と精索静脈瘤群で有意に低値であったが(p<0.01)、シリコン餌を摂取した精索静脈瘤シリコン餌群では66.9%と普通餌群に比べ有意に高値であった(p<0.01)。精巣重量や精子濃度、Johnsen scoreに変化は認めなかった。 精索静脈瘤ラットにシリコンナノ粒子製剤を摂取させることで、精索静脈瘤により低下していた精巣上体精子の運動率が改善することが分かった。シリコンナノ粒子の経口摂取が精索静脈瘤の新規治療法となる可能性があることを示唆する結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シリコンナノ粒子の経口摂取により、精索静脈瘤で低下した精子運動率が改善することを確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
シリコンナノ粒子摂取による精巣や精子の酸化ストレスの変化について解析し、シリコンナノ粒子の有効性について確認する。精巣および精巣上体での遺伝子発現の変化についても解析する。その結果をもとにノックアウトマウスを作成し、男性不妊の原因遺伝子の同定をめざす。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込み額と執行金額が異なった。
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Research Products
(1 results)