2023 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌オルガノイドを用いた癌幹細胞性転写超保存領域の探索と治療への応用
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19K18586
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
関野 陽平 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (30837810)
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Project Period (FY) |
2022-12-19 – 2025-03-31
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Keywords | 前立腺がん / オルガノイド / 転写超保存領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌からオルガノイドの樹立に成功し、樹立したオルガノイドを使用してRNAシークエンスを行い、転写超保存領域のUC.3+、UC.4+の発現が上昇していることを同定した。前立腺癌30サンプル、非癌部の10サンプルでUC3+、UC4+の発現解析を行うと前立腺癌で有意に上昇していた。前立腺癌細胞株(LNCaP, C4-2)を用いてUC.3+、UC.4+の強制発現株を作成した。また前立腺細胞株PC3に対してsiRNAを用いてノックダウンを行った。それぞれリアルタイムPCRでUC.3+、UC.4+の発現の亢進、減少を確認した。Uc4+の強制発現株で細胞増殖アッセイを行うと、コントロールと比較して細胞増殖が亢進した。また細胞遊走アッセイにおいてはコントロールと比較して遊走能が亢進した。Uc3+の強制発現株で細胞増殖アッセイを行うと、コントロールと比較して細胞増殖が亢進した。また細胞遊走アッセイにおいてはコントロールと比較して遊走能が亢進した。UC4+の増殖能、遊走能の亢進のメカニズムの解析目的に強制発現株を用いてRNAシークエンスを行ったところ、TGFβシグナリングが亢進していた。western blottingでリン酸化SMAD3の発現が亢進し、EMTマーカーもNカドヘリンの亢進、Eカドヘリンの減弱を認めた。UC4+の増殖能、遊走能の亢進のメカニズムの解析目的に強制発現株を用いてRNAシークエンスを行ったところ、MAPKのシグナリングの亢進を認め、western blottingでリン酸化AKTの亢進を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前立腺癌オルガノイドの樹立に難渋したため、オルガノイド特異的な転写超保存領域の同定といった以降の研究にすすめなかった。また研究機関に海外留学となり、研究を中断したため。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞株で得られた結果をマウスモデルで実証していく予定である。
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Causes of Carryover |
海外留学により研究遂行に遅延が生じ、次年度使用額が生じた。2023年度に作成したUC3+、UC4+の強制発現株を使用してマウスの実験を予定する。
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