2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidating anti-tumor effect of Bromodomain protein in refractory renal cell carcinoma
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19K18587
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
坂口 大 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (70779008)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 進行性腎癌 / ブロモドメイン / JQ1 |
Outline of Annual Research Achievements |
スニチニブに対する治療抵抗性獲得は腎癌治療における大きな障害であり、その機序や新規治療戦略の解明が極めて重要と考えられる。現在、スニチニブ抵抗性腎癌の治療にはエベロリムス・テムシロリムス等のmTOR阻害剤やPD-1抗体薬であるニボルマブが相次いで実用化されている。特にニボルマブは免疫チェックポイント分子PD-1を標的とした新たなコンセプトをもつ治療薬であるが前臨床試験(CheckMate 025)では奏功率25%程度であり十分な治療効果とは言えない。以前に確立したスニチニブ抵抗性腎癌臨床検体のmiRNA発現プロファイルからBRD4を起点としたmiRNAの選別を行った。さらにこれらmiRNAについて当科の「腎癌miRNA発現プロファイル」と統合して標的分子の探索を行った。その結果、種々の癌研究で注目されるブロモドメイン蛋白、特にBRD4に着目した。TCGAデータベース解析の結果、腎淡明細胞癌患者におけるBRD4の高発現群は予後不良であった。 In vitroおける細胞機能解析ではJQ1の投与によりSU-R-786-oを含めた複数の腎癌細胞株で、アポトーシスの誘導、細胞周期停止を介した増殖能の抑制、及び遊走・浸潤能の抑制が認められた。786-O細胞株を用いたゼノグラフト実験では、BRD4阻害薬であるJQ1を投与した群では、腫瘍増殖の著明な抑制が認められた。現在、クロマチン免疫沈降を行いシーケンスによるBRD4の標的遺伝子を探索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年次計画の予定に沿って順調にプロジェクトをこなしている。
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Strategy for Future Research Activity |
クロマチン免疫沈降を行いシーケンスによるBRD4の標的遺伝子を探索し、転写調節因子であるブロモドメインタンパクが制御する癌遺伝子群を明らかにして、BRD4の直接阻害薬や、関連遺伝子の阻害薬実験を進める予定である。
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Causes of Carryover |
Chip assayによる中国の企業に依頼してシーケンスを行う予定であったが、新型コロナ感染症の影響で当該年度中の実施が困難になった。現状回復したら直ちにオーダーする予定である。全体の実験の進行には影響しないと考えられる。
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