2020 Fiscal Year Annual Research Report
Cancer immunotherapy targeting treatment-resistant urothelilal cancer stem cells
Project/Area Number |
19K18589
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
村井 愛子 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10793036)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膀胱がん幹細胞 / 抗原ペプチド / 細胞傷害性T細胞 / GRIK2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究期間において、ヒト膀胱がん幹細胞モデルを作成した。がん幹細胞は、自己複製能および多分化能を備えたがん細胞亜分画と定義されるが、in vitro 培養においては、安定した培養が困難であり、機能解析に向かない。そこで、ヒト膀胱がん細胞株 UM-UC-3 からALDEFLUOR 法を用いてがん幹細胞を ALDHhigh 細胞として分離、クローン細胞を樹立した(Hクローン)。非がん幹細胞としてALDHlow クローン細胞を樹立した(Lクローン)。HクローンおよびLクローン細胞を用いて、in vitro 大量培養を行い、それぞれのクローン細胞に提示される抗原ペプチドをマススペクトロメトリー解析を行った。その結果、ヒト膀胱がん幹細胞に特異的に提示される抗原ペプチドを発見した。がん幹細胞特異的に提示される抗原ペプチドの一つは、GRIK2 という分子にコードされていた。GRIK2 はヒト膀胱がん幹細胞に発現し、がん幹細胞性維持に関わる分子である。GRIK2ペプチドに対して、免疫応答を惹起する事が可能か、ヒト末梢血リンパ球を用いて GRIK2 ペプチド特異的細胞傷害性T細胞を誘導した。その結果、GRIK2 ペプチドを特異的に認識出来るCTLを誘導可能であった。さらに、当該CTLはHクローン細胞を特異的に認識出来ることが判明した。これらの結果は、GRIK2 ペプチド特異的免疫応答により、ヒト膀胱がん幹細胞を特異的に標的出来る可能性を示唆する内容である。今回解析に使った膀胱がん幹細胞モデルは、化学療法や放射線療法に抵抗性を示す事も確認している。今後、治療抵抗性膀胱がんに対する有効な免疫療法への応用へとつなげたい。
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