2021 Fiscal Year Research-status Report
PDCD4に着目した去勢抵抗性前立腺癌の新規マーカー・治療の確立に関する研究
Project/Area Number |
19K18600
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
全並 賢二 藤田医科大学, 医学部, 講師 (60440731)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 去勢抵抗性 / PDCD4 / miR-21 / eIF4a |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:去勢抵抗性前立腺癌 (castration resistant prostate cancer; CRPC) の詳細な機序は未だ明らかになっておらず、有効な治療法も確立されていない。本研究では、miR-21の有力な標的遺伝子で、癌抑制遺伝子であるprogrammed cell death 4 (PDCD4) に着目し、①前立腺癌における去勢抵抗性の機序の解明、②miR-21/PDCD4経路をターゲットとしたCRPCの治療選択や予後予測の新たなバイオマーカーの確立、新規治療法の開発を目的としている。本年は去勢抵抗性前立腺癌においてPDCD4が低発現しており、それによりeIF4a inhibitionが機能せず、癌の増殖に関与していると仮説し、去勢抵抗性前立腺癌の新規治療薬確立を目的として研究を行った。 方法:eIF4a inhibitorであるsilvestrolを用いて、ヒト前立腺癌細胞株であるLNCaPとPDCD4安定ノックダウン株であるLNCaP-shPDCD4を用いて、抗腫瘍効果について検討した。 結果:silvestrolの細胞増殖抑制効果は、両cell lineで認められたが、PDCD4が発現してらずeIF4aが抑制されていないと考えらえるLNCaP-shPDCD4ではより強い細胞増殖抑制効果を認めた。 意義:一般的にPDCD4が低発現している去勢抵抗性前立腺癌において、translationをターゲットとしたsilvestrolの効果の可能性が示唆された。in vivoでの効果の確認、正常細胞への毒性の評価が出来れば、臨床応用の可能性も期待できる。 重要性:去勢抵抗性前立腺癌における機序解明、新規治療薬の確立を目的とした初期評価として重要な結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学内の他部署と連携して研究を行っているが、COVID-19の感染拡大により、他部署の共同研究者との連携、協力が困難な状況があり、当初予定していたスピードで研究を進捗されることが出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の感染状況は改善傾向のため、今後はより積極的にカンファレンスによる意見交換、研究推進を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度の研究計画が予定通りに進まず、使用額が低くなった。次年度は研究を推進させるとともに、必要な備品等に助成金を使用予定である。
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