2022 Fiscal Year Annual Research Report
microの解剖学的位置に注目した前立腺肥大症の炎症の病態の研究
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19K18606
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
稲村 聡 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (50572434)
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Project Period (FY) |
2020-03-01 – 2023-03-31
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Keywords | 前立腺肥大症 / 慢性炎症 / 排尿障害 / 炎症細胞の分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺肥大症の標本の評価を、解析ソフトであるMantraを使用して、客観的、定量的に行う。免疫染色については、CD4(ヘルパーT細胞),CD8(細胞傷害性T細胞),CD20(B細胞),MECA-79(高内皮細静脈),CD34(通常の血管),CD16(好中球),CD163(マクロファージ),αSMA(平滑筋)、ナイーブ細胞とエフェクター細胞の分布またはマクロファージのサブタイプ(M1、M2)について検討を行った。 前立腺の組織における炎症細胞、特にリンパ球はB細胞よりもT細胞の方が有意であることが判明し、さらにT細胞のサブタイプを解析すると、ヘルパーT細胞が有意であった。高内皮細静脈については、炎症細胞浸潤が強い症例ほど、前立腺間質内に多く認められ、リンパ球の浸潤の程度と相関を認めた。好中球、マクロファージについては本研究では、他の臨床パラメータなどとの相関を認めなかった。間質のリンパ球の浸潤の程度が強い症例では、下部尿路閉塞が強かった。また、患者の喫煙歴、喫煙期間、禁煙期間と炎症細胞、高内皮細静脈との相関を検討したところ、喫煙歴がある患者において、禁煙期間が長いほど高内皮細静脈の割合が少ないことが分かった。つまり、喫煙患者において、禁煙は前立腺の炎症を改善させる可能性があることが示唆された。生活習慣病、BMIなどとの関連は今回は認められなかった。また、前立腺肥大症の治療薬と炎症との関連を検討したところ、5α還元酵素阻害薬投与により、前立腺の炎症が増悪する可能性が示唆された。今後の研究課題として、炎症の予防・改善に寄与する因子、治療などを追究したいと考えている。
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[Presentation] The extent of chronic prostatic inflammation was negatively and positively correlated with the duration of alpha-1 blockers and 5 alpha reductase inhibitors before surgical treatment2023
Author(s)
So Inamura, Tomochika Shinagawa, Hisato Kobayashi, Manami Tsutsumiuchi, Masaya Seki, Minekatsu Taga, Masato Fukushima, Hideaki Ito, Motohiro Kobayashi, Osamu Yokoyama, Naoki Terada
Organizer
AUA 2023
Int'l Joint Research
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