2019 Fiscal Year Research-status Report
多面的アプローチによる膀胱癌のGCプライマリレジスタンスを予測するマーカーの開発
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19K18615
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
米森 雅也 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (00758013)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 進行性膀胱癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
進行性膀胱癌の予後は不良であり、再発・転移症例に対してGemcitabine + Cisplatin (GC)療法が1stライン治療であるが、GC療法に対するプライマリーレジスタンスの症例や治療後に再発をきたす症例も少なからず存在する。この研究の目的は、多くのデータベースから多面的アプローチを行い、GC療法に対するプライマリーレジスタンスを予測する有効な腫瘍マーカーを見つける提案である。 始めに、ヒト膀胱癌細胞株(BOY,T24)をシスプラチン添加培養液で6か月間継続して培養することで樹立したシスプラチン耐性株(CDDP-R-BOY,CDDP-R-T24)を用いて、シークエンス解析を行い、シスプラチン耐性株で変化しているmicroRNA(miRNA)を検索した。解析結果より28個のmiRNAを候補に挙げ、シスプラチン耐性株の増殖アッセイにてmiR486-5pが最も強い増殖抑制効果を示し、シスプラチンの感受性が回復することを確認した。更にmiR-486-5pを形質導入することにより遊走能・浸潤能が抑制された。miR-486-5pの標的としてペルオキシソームにおける長鎖脂肪酸の分解、脂肪酸のβ酸化に関与する機能を有する遺伝子に注目し、標的遺伝子をノックダウンすることにより増殖能・遊走能・浸潤能が抑制され、更にシスプラチン投与にて相加相乗効果が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CRISPRライブラリーを用いたGC耐性に関わる遺伝子群の同定を行う予定であるが、まだスクリーニングの提出に至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
CRISPRライブラリーについての実験がうまくいかない場合は、専門家に指導を仰ぐ。また、患者血清で測定できる有用な候補タンパクが見つからない場合には、血中のマイクロRNAやcell free DNAなどを測定の対象にすることもあり得る。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、試薬類の使用が積算時より少なくて済んだため、購入費にあまりが出たからである。 CRISPRライブラリーを用いてGC耐性に関わる遺伝子群の同定を行い、それらの結果や前述のシークエンス解析結果をもとに、GC耐性に関わる候補マーカーの選定を行う。そして、膀胱癌患者血清を用いて候補マーカーの測定による実証を計画している。そのため、次年度も実験費が必要である。
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Research Products
(2 results)