2020 Fiscal Year Research-status Report
オステオポンチン抗体による新規尿路結石治療薬の開発
Project/Area Number |
19K18616
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
海野 怜 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (40755683)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 尿路結石 / オステオポンチン / メタボリックシンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
GOX投与により結石を形成させたMetsモデルマウスに対して、OPN抗体を投与して尿路結石と動脈硬化に対する予防効果を検討した。8週齢雄Metsモデルマウス(レプチン欠損マウス:B6.V-Lepob/ob; Lep-/-)を以下のコントロール群とOPN抗体投与群に分け、シュウ酸前駆物質であるGOX80mg/kgを腹腔内に連日投与し、尿路結石を形成させた。(1)コントロール群: IgG抗体500μg投与群(n=11)、(2)OPN抗体投与群:①OPN抗体250μg/マウス/1回(n=11)、②OPN抗体500μg/マウス/1回(n=11)、③OPN抗体1000μg/マウス/1回(n=11)。それぞれ解剖時に、①尿:抗体投与前日(Day0)と解剖前日に24時間蓄尿を実施、②血液、③腎組織、④大動脈を採取した。結果として、OPN抗体500μgを投与したマウスにおいてday4において結石形成が有意に抑制された。血液中のアディポネクチンが同群において有意に保たれていたことから、OPN抗体の投与はアディポネクチンを介して結石形成を抑制している可能性が示唆された。その他の群では、結石形成の抑制効果が確認できなかった。しかしながら、肥満マウスに対するGOX投与は、マウスの腎臓を著しく傷害し、多くのマウスが検討以前に死んでしまったことから、GOX投与量を50mg/kgに減量し、再度の検討が必要であると考えている。さらに、24時間蓄尿データと腎組織のタンパク発言との関係性を現在検討中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスにオステオポンチン抗体の投与を行う段階まで行ったが、容量調整が必要である可能性が示唆された。
|
Strategy for Future Research Activity |
GOX投与量を調整し、再度の検討を行っていく予定である。
|
Causes of Carryover |
計画自体は順調な滑り出しであったがCOVID-19による通常の医療業務が大幅に変更となり、予定していた研究を進めることができなかった。さらに試薬や動物を無駄なく発注した結果、当初予算より若干節約ができた。次年度使用額額として、よりよい結果を残していきたい。
|
Research Products
(2 results)