2021 Fiscal Year Research-status Report
オステオポンチン抗体による新規尿路結石治療薬の開発
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19K18616
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
海野 怜 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (40755683)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 尿路結石 / オステオポンチン / メタボリックシンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
GOX投与により結石を形成させたMetsモデルマウスに対して、OPN抗体を投与した腎組織における結石関連因子の評価を行った。8週齢雄Metsモデルマウス(レプチン欠損マウス:B6.V-Lepob/ob; Lep-/-) を以下のコントロール群とOPN抗体投与群に分け、シュウ酸前駆物質であるGOX80mg/kgを腹腔内に連日投与し、尿路結石を形成させた。(1)コントロール群: IgG抗体500μg投与群(n=11)、(2)OPN抗体投与群:①OPN抗体250μg/マウス/1回(n=11)、②OPN抗体500μg/マウス/1回(n=11)、③OPN抗体1000μg/マウス/1回(n=11)。OPN抗体500μgを投与したマウスにおいてday4において結石形成が有意に抑制され、血液中のアディポネクチンが同群において有意に保たれていた。さらに、細胞内における微小構造観察のために投下型電子顕微鏡を用いて観察したところ、OPN抗体500μg投与マウスでは、他の群と比べて細胞内のオルガネラ障害が少なく、細胞内に2重膜構造をもつオートファゴソームが観察されたことから、抗体の投与により細胞内の恒常性を維持するオートファジーが活性化された可能性が示唆された。一方で他の群では、結晶核の元と考えられる傷害ミトコンドリアやリソソームが多数観察され、オートファジーが低下している可能性が示唆された。今後はオステオポンチンと細胞内の保護作用を持つオートファジーとの関わりを解明していくために、オートファジー関連タンパクのWestern blotや上流因子の検討をおこなっていく予定である。さらには、尿細管培養細胞に対して抗体と、シュウ酸カルシウム結晶の暴露を行い、結晶の付着量、炎症反応などを検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞に対するオステオポンチン抗体の量を調整する予定である
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Strategy for Future Research Activity |
オステオポンチンと結石形成に関わるオートファジー低下について考察をおこなっていく予定である。
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Causes of Carryover |
計画自体は順調な滑り出しであったがCOVID-19による通常の医療業務が大幅に変更となり、予定してていた研究を進めることができなかった。また国際・国内学会出張も計画していたが、出張することもできなかった。このため次年度使用が生じた。次に最終年度として、よりよい結果を残したい。
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Research Products
(3 results)