2020 Fiscal Year Research-status Report
腎癌の治療標的となりうる新規癌特異分子PRELID2 の機能解析
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19K18618
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
加藤 廉平 岩手医科大学, 医学部, 特任講師 (60748234)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | PRELID2 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の先行研究によって、PRELID2がcell viabilityやROS産生制御と関連することが示されている。 昨年度の研究によって、腎癌細胞株Caki-1をreverse transfection法でsiRNAを用いてPRELID2発現抑制を行い(コントロール:siEGFP)、細胞外フラックスアナライザーXFe24(Agilent Technologies社)を用いた解析の結果、コントロールと比較して基礎呼吸と予備呼吸能が、それぞれ有意に低下することが示された。これらの結果より、PRELID2とミトコンドリア呼吸鎖能との関連が示された。先行研究の結果よりPRELID2とcell viabilityと関連することが示されていることから、PRELID2が治療標的としてのポテンシャルを有することからPRELID2の結合分子の探索を試みた。 我々が樹立したHEK293PRELID2安定発現細胞(HAタグ付き)とHEK293 mock細胞のセルライセートを用いてPRELID2(HA抗体)による共免疫沈降を行った。結合してきたタンパクのショットガンプロテオミクスによる解析を行い、結合分子を探索した。候補分子として既存の文献報告でミトコンドリアにおける細胞内局在をし、ROS産生の制御に関連することが明らかとなっている分子を抽出した結果、分子Xを同定した。PRELID2と分子Xの結合に関しては、HEK293PRELID2安定発現細胞(HAタグ付き)とHEK293 mock細胞のセルライセートを用いて分子Xの抗体による共免疫沈降を行い、ウエスタンブロッティングによってPRELID2と結合していることも確認した。 この結果より、腎癌の癌化の過程においてPRELID2と分子XによってROS産生の制御が関わっていることが示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的はPRELID2とミトコンドリア機能との関連、PRELID2によるROS産生制御メカニズムを明らかにすることである。 昨年度までの研究によってPRELID2とミトコンドリア呼吸鎖機能との関連が示されており、本年度の研究によってPRELID2の結合タンパクとしてミトコンドリアに局在する分子の特定に至った。 PRELID2が治療標的となりうる分子であることから、今後は関連分子との機能解析を進めていきたい。研究計画に則り、概ね順調に研究は進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
特定したミトコンドリア分子とPRELID2との関連解析を進めていく。 具体的には、腎癌細胞株で示されたPRELID2の発現抑制によるcell viabilityの低下やROS産生誘導が分子Xの発現抑制によっても生じるか、siRNAを用いたノックダウンの実験によって検証する。現時点ではPRELID2の内在性タンパクを認識しうる抗体が得られていないことから分子X側での結合阻害を狙って、分子Xの抗原配列特異ペプチドを合成しPRELID2の結合部位を同定し、結合阻害による機能解析を行う。 また、PRELID2の内在性タンパクを検出できる抗体の探索も行っていく。
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