2019 Fiscal Year Research-status Report
多嚢胞性卵巣症候群のアンドロゲン過剰症に関わる遺伝内分泌学的基盤の解明
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19K18632
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
齊藤 和毅 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座助教 (90830125)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生殖医学 / 多嚢胞性卵巣症候群 / 不妊症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は多嚢胞性卵巣症候群の患者検体集積のための準備を主に行い、並行して外来を受診した患者および入院治療を行った患者を対象に研究参加のリクルートを行った。 多嚢胞性卵巣症候群の疾患関連遺伝子の他に、アンドロゲン過剰症、排卵障害、インスリン抵抗性などの、疾患に関連する特有の病態に関する過去文献を検索し、内容を吟味参照の上で解析候補の遺伝子を複数選出した。候補の遺伝子に関しては、過去文献の確認とインターネット上に公開されているデータベースなどを用いたin silico解析を行った。ヒトにおける既知の遺伝子異常や多型の有無、およびその頻度を確認し、併せてその既知の遺伝子異常および多型に応じて利用できる検査方法を確認して実施体制の準備をした。 また検体収集においては、多嚢胞性卵巣症候群に特徴的なそれぞれの臨床兆候別に臨床症状や検査データの評価指標を確認し、患者集積にあたっての必要調査項目を検討した。各指標に関しては、過去の類似する研究報告と照らし合わせてその妥当性を評価し、これらをもとに情報取集するための情報収集シートや問診票を作成した。 解析対象となる多嚢胞性卵巣症候群の患者は外来受診した際、もしくは手術で入院した際に同意を取得した上で血液を採取し、大学で行っているバイオバンク制度を利用て検体を保管した。血液からは遺伝子解析のためのDNAを抽出し、また血清を分離して凍結保存しすることにより、将来的に追加項目の評価ができるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
大学内での勤務体制や人事の状況により、予定よりも臨床および教育業務に割く時間が多くなり、研究のための十分な時間を確保することができなかった。また同理由により外来での患者のリクルートを十分にに行えず、集積検体数も現状では足りていない状況である。 またコロナウイルス流行に伴う教育体制の変更への対応と、診療および研究体制の縮小も影響した。
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Strategy for Future Research Activity |
人事の状況としては外来を中心とした診療になり、患者をリクルートしやすい状況になった。また診療・研究体制もコロナウイルスの収束に伴い徐々に拡大する予定である。 リクルートの促進に関しては、研究参加を同意して頂く患者を増やすため、大学の関連病院や周囲の施設に協力を呼び掛けるとともに、他施設で集積済の検体と併せて解析するための手続きを早めて行う。
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Causes of Carryover |
研究計画が遅れ患者検体を未だ集積中のため、解析に必要な物品の購入が遅れたために次年度使用額が生じた。
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