2022 Fiscal Year Research-status Report
脱落膜分泌因子による絨毛浸潤制御機構~ART妊娠に伴う癒着胎盤の予測へ向けて~
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19K18635
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
川村 裕士 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (80792621)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 癒着胎盤 / 生殖補助医療 / 脱落膜分泌因子 / 絨毛浸潤 / 子宮内膜症 / 帝王切開 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1:脱落膜分泌因子がヒト絨毛外栄養膜細胞(EVT)の浸潤制御にどのように影響するかを解明すること、2:生殖補助医療(ART)における癒着胎盤の発症予測法を開発することである。1について、EVT由来の不死化細胞株(HchEPC1b)に脱落膜分泌因子の候補となるいくつかのサイトカインを添加し、FBSの条件を変えてマトリックスメタロプロテアーゼ2(MMP2)およびマトリックスメタロプロテアーゼ9(MMP9)のmRNAレベルについて、リアルタイムPCRを用いて検討した。本検討により、MMP2, MMP9のmRNAレベルをupregulateさせる可能性のあるサイトカインを同定した。2について、当院の臨床データを用いてART妊娠における癒着胎盤のリスク因子を検討した。本検討により、ART妊娠では子宮鏡手術既往、子宮内膜症が癒着胎盤のリスク上昇と関連する可能性が示唆された。過去の帝王切開で生じた子宮筋創の菲薄化は帝王切開瘢痕部妊娠による重篤な癒着胎盤を引き起こす。この子宮筋菲薄化による重篤な癒着胎盤に関する問題解決へ向けて、動物実験を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床データ解析、基礎実験を平行して行っているが、通常の診療業務に加え新型コロナウィルス感染症に関わる業務との兼ね合いのため遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験で同定した、絨毛浸潤を促進させる可能性のある候補サイトカイン(脱落膜分泌因子)についてinvasion assayを用いて検討し、実際に絨毛浸潤を促進させるか否かを検討する。また、帝王切開による子宮筋創部の評価のため、動物実験を進める。
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Causes of Carryover |
当該年度に計画していた実験が予定通り進まなかったため、実験に必要な物品を購入しなかった。次年度に実験を繰り越し、必要な物品費用に充てる。
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