2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K18636
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
尾山 恵亮 山梨大学, 大学院総合研究部, 臨床助教 (90833624)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インドシアニングリーン / 卵巣 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の成果として、「卵巣を虚血状態にする。一定時間後に血流の定量的評価をする。再灌流させる。」という、本研究のMethodsにおける、重要な部分がクリアできた。 まず、ラットの卵巣の茎捻転モデルとして、卵巣に可逆的な阻血をすることに成功した。具体的には、始めに実際に捻転させてみたが、卵巣が脂肪組織の中に埋もれてしまったり、組織が挫滅したりして上手くいかなかった。そこで、糸による結紮、クリップをかけるといった方法を茎捻転モデルとして代替し、それぞれの長所・短所を明らかにした。 次に、ラットの尾静脈からインドシアニングリーンの静脈内投与をおこない、近赤外線カメラで組織血流を撮影することに成功した。消化器外科、形成外科などの領域では、ラットの腸管吻合や皮弁形成術に対しインドシアニングリーンによる血流評価をしたという報告は多数存在するが、卵巣の撮影に関するものは無かった。したがって、まずは卵巣がインドシアニングリーンによる血流評価の対象になりうると判明したことが、本研究を遂行する上での重要な成果が得られたと考えている。 さらには、上記の撮影映像に対して映像解析ソフトを用いて、阻血した卵巣が、阻血していない対側の卵巣に比べ、何%の輝度(血流)があるのかという定量化に成功した。これにより、従来「見た目」で判断していた虚血卵巣血流が「数値」で示せることとなった。当然これについても、先行研究は無いため、非常に重要な成果であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
卵巣の虚血化、ICGを用いた血流の定量化という、本研究の最も重要な部分を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、様々な程度での阻血を行い、インドシアニングリーンの輝度の定量化を行う。
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Causes of Carryover |
初年度は方法の確立まで試行錯誤をしていたため、慎重に実験を進めていた。現在は方法が確立されつつあるため、本格的に実験を推し進め、若干の計画の遅れを取り戻す予定である。
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