2020 Fiscal Year Research-status Report
子宮頚癌における新規放射線感受性バイオマーカーSIM2Lの臨床的意義の検討
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19K18652
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中村 加奈子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (40627155)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子宮頚癌 / 同時化学放射線療法 / 転写因子 / 放射線感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮頚癌は近年罹患率・死亡率ともに若年層で増加傾向にある疾患である。局所進行子宮頚癌には同時化学放射線療法(CCRT)や放射線単独療法による治療が中心となるが、CCRT後5年以内に約3割が再発し、わずか1年以内で再発する症例も約1割を占める。治療開始前に放射線感受性を予測することは治療の個別化を行い個々の患者にもっとも有効な治療を提供する上で重要であると考えられる。本研究の目的は、子宮頸癌患者における放射線感受性マーカーを探索することにある。先行研究により子宮頚部扁平上皮団細胞株を用いた実験で転写因子single minded homolod2 long(SIM2L)の低発現患者は放射線誘導性酸化ストレスに対しHIF1Aの誘導を介し抵抗性となることを証明しており、今回は臨床応用を想定し実際の子宮頚癌患者の検体におけるSIM2Lの発現と予後を評価する。 2012年から2018年までの期間に慶應義塾大学病院産婦人科において組織診により子宮頚癌と診断された症例のうち、組織型が扁平上皮癌で同時化学放射線療法を受けた症例で研究に同意した症例は55例の再発・死亡の有無を確認したところ、死亡例が8例、死亡例を除く再発例は6例であった。まずは抗SIM2抗体を用い、予後良好群と不良群数例での予備検討を行った。その結果、いずれの症例もSIM2は高発現であり明らかな差がなかったため、SIM2 long isoformに特異的な抗体を用いた評価が必要であると判断し、現在抗体を作製中である(先行研究の論文で使用していたSIM2 long isoformを認識する抗体が製造中止になり入手できなくなったため)。また、HIF1AおよびVEGFの発現と関連が予想されるため、現在免疫組織化学染色の条件検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
使用予定としていた抗体が販売中止となり入手困難であり新規に抗体作製を委託しておこなっているため時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
SIM2 long isoform特異的抗体が作製でき次第条件検討を行い、SIM2 long, HIF1A, VEGFの免疫染色を行い予後を比較検討する。
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Causes of Carryover |
2019年-2020年に産休・育休のため研究を中断しており研究期間を2022年度へ延長し研究計画がやや遅れており次年度も引き続き使用予定のため。今後は免疫染色や予後解析(主に物品費)に使用していく予定である。
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