2022 Fiscal Year Annual Research Report
月経周期を考慮した体重階級制アスリートにおける減量法の確立
Project/Area Number |
19K18656
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
西牧 未央 奈良女子大学, 生活環境科学系, 助教 (20757538)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 急速減量 / 女性 / 脱水 |
Outline of Annual Research Achievements |
レスリングなどの体重階級制競技選手の多くは、試合前の計量にて規定体重を下回る必要があるため、食事制限、水分制限を用いて減量をおこなう。女性アスリートのウェイトコントロールは、周期的に性ホルモン濃度が増減する月経周期を考慮して取り組むべきである。しかし、脱水を主とした急速減量と月経周期の関係は明らかとなっていない。そこで本研究は、脱水を主とした急速減量によって引き起こされる性ホルモン応答、体内水分量および血中電解質濃度の動態を明らかにし、体重階級制女性アスリートの最適な減量方法を確立することを目的とし、本課題を実施した。 女子レスリング選手を対象に実施した調査では、「女性アスリートのコンディショニングに関する調査」において、コンディションに関する知識に興味がありますかという問いに対して、関心があると答えた項目は、体組成、月経周期、月経異常の順に多かった。さらに、月経によって(黄体期が減量期間と重なったため)体重が落ちにくいと感じたことはありますかとの問いに過半数の女子レスリング選手が「はい」と回答した。審美系の種目と比較して、階級制種目のアスリートの月経異常の発生率は低い体重階級制競技種目であるが、年間4~5回の脱水を主とした急速減量を繰り返していることが報告されているにも関わらず、女性体重階級制アスリートを対象とした研究は非常に少ないのが現状である。月経周期に伴う体重変動の要因は体水分量の変化が関与していることが考えられ、黄体期に増加するホルモンが影響していることが報告されている(Stachenfeld et al, 2008)。性ホルモンであるエストロゲン、プロゲステロンは、体水分貯留を高める作用があることが報告されており(Stachenfeld et al, 2005)、体水分量の増加に伴い卵胞期に比べて黄体期に体重が増加する可能性が考えられる。
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