2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K18660
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北村 茜 東北大学, 医学系研究科, 技術補佐員 (50736402)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 全胞状奇胎 / 雄核発生 / ゲノムインプリンティング / 悪性転化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、全胞状奇胎(全奇胎)の病態形成におけるインプリント遺伝子の役割を明らかにするため、全奇胎よりTS細胞 (TSmole) 株を樹立し分子細胞学的解析を行うことを目的とした。1)TSmole株の樹立:当研究室で確立したヒトTS細胞の培養プロトコルに従い、全奇胎組織よりTSmole株を樹立することに成功した(5株)。TSmole株は、境界明瞭なコロニーを形成し、形態学的には上皮系のTS細胞株と類似していた。また蛍光免疫染色により、TS細胞のマーカーであるTFAP2C、GATA3、KRT7の発現を確認した。2)ホモ接合性の確認:TSmole株 (3株) からゲノムDNAを抽出し、SNPマイクロアレイ解析を行った。染色体のコピー数とゲノム全体のホモ・ヘテロ接合性を評価した結果、全て1精子受精による雄核発生であることを確認した。3)遺伝子発明解析:RNA-Seq解析の結果、TSmole株の遺伝子発現様式は、TS株と高い相関 (相関係数0.99) を示した。一方、インプリント遺伝子に着目すると、TS株で発現量の高い遺伝子の多くはTSmole株で発現に変化を示した。父性発現遺伝子の多くは1.5-2倍程度発現が上昇し、母性発現遺伝子の多くは発現量が著しく低下していた。4)DNAメチル化の解析: WGBS法を用い、TSmole株におけるDNAメチル化の解析を行った。その結果、TS株とTSmole株のメチル化率は全体として非常に類似していた(相関係数: 0.96-0.97)。また、TSmole株のインプリント遺伝子のアレル特異的なメチル化領域(DMR)のメチル化は、雄核発生胚を保持していた。PMD (Partially methylated domain) の栄養膜系列細胞に特異的なメチル化様式も維持されていた。次年度はTSmole株の細胞特性について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、全奇胎組織の収集と細胞純化・精製、疾患モデル細胞の樹立と細胞特性の解析について達成することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、TSmole株の細胞特性について検討する。主に、胎盤特異的インプリントの解析、DNAメチル化およびヒストン修飾の解析うを引き続き行っていく。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] The risk of secondary sex ratio imbalance and increased monozygotic twinning after blastocyst transfer: data from the Japan Environment and Children’s Study2019
Author(s)
Hattori H, Kitamura A, Takahashi F, Kobayashi N, Sato A, Miyauchi N, Nishigori H, Mizuno S, Sakurai K, Ishikuro M, Obara T, Tatsuta N, Nishijima I, Fujiwara I, Kuriyama S, Metoki H, Yaegashi N, Nakai K, Arima T; Japan Environment & Children Study Group.
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Journal Title
Reproductive Biology and Endocrinology
Volume: 17
Pages: 27
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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