2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K18660
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北村 茜 東北大学, 医学系研究科, 技術補佐員 (50736402)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 全胞状奇胎 / 雄核発生 / ゲノムインプリンティング / 悪性転化 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、全奇胎の病態に特徴的なインプリント異常を示すP57KIP2遺伝子のヒト胎盤での機能についてTS細胞モデルを用いて解析した。 (1)全奇胎由来TS(TSmole)細胞へp57KIP2遺伝子導入:p57KIP2の発現抑制が、TSmole細胞の増殖異常に関与するかどうかを明らかにするためTSmole細胞に、Dox誘導性にp57KIP2を導入し、TSmole細胞を高密度で培養し、S期細胞の割合の変化について解析した。その結果、Dox添加により、S期細胞の割合が42.0±4.0%から28.1±1.5%へと有意に低下した。従って、TSmole細胞の増殖異常には、p57KIP2の発現低下が関与することが示唆された。 (2)p57KIP2遺伝子のノックアウトTS細胞:p57KIP2 が細胞接着(CI)による増殖停止に関わることを明らかにするため、ゲノム編集技術を用い、標的遺伝子のノックアウト細胞を作製した。p57KIP2 (-)ホモノックアウトと、p57KIP2 (+/-)ヘテロノックアウトを樹立した。高密度培養下でのS期細胞の割合は、p57KIP2 (+/-)細胞では19.8±1.8% まで低下したのに対し、p57KIP2 (-)細胞では42.5±3.6% までの低下に留まった。さらに、高密度培養後の細胞数は、p57KIP2 (-)はp57KIP2 (+/-)に比べ、2.5倍ほど高い値を示した。以上の結果から、p57KIP2がCIによる細胞増殖停止に関与することを明らかにした。
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Research Products
(1 results)