2019 Fiscal Year Research-status Report
p53とFoxp4発現を指標とした子宮体部類内膜癌の新しい術前悪性度診断法の開発
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19K18666
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
折坂 俊介 金沢大学, 附属病院, 医員 (20724173)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | p53 / Foxp4 / 子宮体部類内膜癌 / リンパ節転移 / 再発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究申請者らは免疫組織染色法を用いた後方視的検討から、p53強陽性群と同等の頻度でp53弱陽性群にリンパ節転移・術後再発症例が存在すること、さらにFox転写因子の一つであるFoxp4発現がリンパ節転移・術後再発症例で強陽性であることを観察し、これらの発現様式が術後追加治療の方針決定に有効である可能性を見出した。 これらのパラメーターが術前診断に応用できれば術式を含めた治療戦略の決定に貢献すると考えられるため、術前の病理学的診断のために施行される子宮内膜検査で採取された組織検体を用いてp53およびFoxp4発現を後方視的および前方視的に複数の方法で解析し、さらに術後経過を検討して「子宮体部類内膜癌の悪性度の術前評価の精度を向上させる新しい検査法を提案する」ことを目指した。 本年度は、当院で採取した術前の子宮内膜癌の内膜組織ホルマリン標本から、p53およびFoxp4の発現を免疫組織学的に観察し、臨床データと照らし合わせてp53およびFoxp4発現がリンパ節転移・術後再発群と予後良好群とで比較検討した。結果、術前採取した内膜組織と手術検体のp53とFoxp4の免疫組織染色結果が一致しない症例が確認された。今後は術後検体と術前内膜組織の免疫組織染色の解析数を増やして、実験手技のエラーであるのか、術前と術後の組織では結果が異なるかの検討が必要となった。 また、本年度中に術前の子宮内膜生検で組織を採取し、TP53遺伝子のexons 5-8変異の解析とRNAを抽出してFoxp4mRNAの発現量をqPCR法で解析する予定であったが、そこまで到達しなかったため次年度に解析を行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では本年度中に、後方視検討および前方視検討の一部を開始する予定であったが、術後検体と術前内膜組織の免疫組織染色のp53およびFoxp4発現結果が異なるため、計画書通りの進行が困難であり、当初の予定よりやや遅れる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
術前採取した内膜組織と手術検体のp53とFoxp4の免疫組織染色結果から、次年度も過去症例の術前・術後の組織について同様の染色結果になるかを追加で検証が必要である。検証の結果、術前・術後の組織で染色結果が同様の結果であれば、計画書でも述べたように術前に子宮体部類内膜癌の悪性度を判定する新しい診断基準として検討できる可能性がある。 その検証結果を踏まえて、次年度に前方視で術前の子宮内膜生検で十分量の癌組織が採取された症例からDNAを抽出しTP53遺伝子のexons 5-8変異の解析を行う。一方で同じくRNAを抽出してFoxp4mRNAの発現量をqPCR法で解析を進める。症例についてはその後も追跡調査し、再発の有無を確認していく。
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Causes of Carryover |
現時点では、予定していた所まで実験が進行できなかったこと、既存の器具や試薬の使用を行ったこと、予定した結果まで実験が進まないことに伴い学会発表ができなかったこと等があったため本年度の所要額が少ない結果となった。 今後の実験で本年度までに予定していた実験が次年度に繰り越されたため、本年度以上の試薬や器具が必要と考えられること、その実験・解析結果により学会での報告を予定している。
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