2020 Fiscal Year Annual Research Report
子宮平滑筋細胞における細胞容積調節塩素チャネルの妊娠による影響に関する研究
Project/Area Number |
19K18669
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
山田 一貴 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30770234)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞容積調節陰イオンチャネル / LRRC8A / 子宮平滑筋 / 妊娠 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠によって、子宮平滑筋自身やその周囲に大きな変化が生じる。その変化は、細胞容積の増大や水分含有量の変化、サイトカインの発生など劇的である。子宮平滑筋においても、出産まで妊娠を維持する上で、そのような劇的な変化への対応が必要となる。しかし、妊娠期における変化からこの細胞自身の保護とこの細胞の有する機能の維持を果たす機序は明らかにされていない。この研究は、細胞容積調節陰イオンチャネル (細胞容積調節塩素チャネル) に焦点を当て、妊娠期の子宮平滑筋細胞の機能を保護する機序について調べた。 非妊娠期と比較して妊娠期に子宮平滑筋細胞膜容量が有意に増加していることを確認した。また、細胞容積調節陰イオンチャネルの構成を担うロイシンリッチリピート8Aタンパク (LRRC8A) は、細胞膜を含む細胞全体にびまん性に存在し、その発現密度と局在は、妊娠の有無による有意な変化を認めなかった。同様に、細胞容積調節塩素チャネルを介するSwelling-induced Chloride Currentの電流密度において、妊娠の有無による有意な変化は観察されなかった。 細胞容積調節陰イオンチャネルの発現密度や局在、電気生理学的機能が妊娠によって有意な変化を示さないことは、そのチャネルの機能が保持されていると考えられる。 したがって、この研究において、細胞容積調節陰イオンチャネルが妊娠に伴う変化に対する子宮平滑筋細胞の保護を仲介し、妊娠の維持に一定の役割を果たしている可能性があることを示唆された。
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Research Products
(1 results)