2020 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト子宮内膜症の新規発症モデルを用いた病態メカニズムの解明
Project/Area Number |
19K18674
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
嶋田 浩志 札幌医科大学, 医学部, 訪問研究員 (00838906)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | angulin-1/LSR / TGF-β / KLF-1 / Rho/Rock / claudin / endometriosis |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮内膜症の有病率は、全女性の約10%と言われ、病期進行に伴って瘢痕形成が起こり、それが難治性の慢性疼痛や不妊症の一因となっている。そこで今回我々は、確立した正常子宮内膜および間質細胞を用いて、子宮内膜症の進行に関与が知られているTGF-β, そのターゲット転写因子であるKLF11、Rho, ROCKシグナル, 3細胞間タイト結合蛋白angulin-1/LSRに焦点を絞り、子宮内膜症の新規発症機序の解明を行った。2019年度の研究成果としては、子宮内膜症および子宮内膜癌において、angulin-1/LSRがJNK/cofilin/actinを介してそのバリア機能および細胞遊走に関与していることを見出した。さらに子宮内膜上皮細胞の分裂にangulin-1/LSRをはじめとしてタイト結合分子が密接に関与していることを見出した。2020年度の研究では、子宮内膜症および子宮内膜癌において、ASPP2の機能抑制によってLSR/YAPを介して細胞遊走と浸潤を亢進させることを見出した。さらに子宮内膜症においてClaudin-2の発現部位の変化を来しており、子宮内膜癌においてClaudin-2の高発現がみられ、LSRのノックダウン細胞においてClaudin-2の誘導が見られた。また2019年度における研究でcingulinが子宮内膜上皮の分裂に関与していることを見出したが、そのcingulinは子宮内膜症および高分化型子宮内膜癌に高発現していることを見出した。
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