2021 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠初期に診断された妊娠糖尿病に対する治療介入の有効性の検証
Project/Area Number |
19K18675
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
青木 茂 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (50621546)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 妊娠糖尿病 / 糖負荷試験 / 妊娠 / 耐糖能異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の妊婦で妊娠初期(妊娠20週まで)に国際妊娠糖尿病学会(IADPSG)の提唱する75g糖負荷試験(OGTT)の閾値(空腹時血糖92mg/dl、1時間値180㎎/dl、2時間値153㎎/dl)を用いて妊娠糖尿病と診断された妊婦を無治療経過観察としたところ、約半数の妊婦が妊娠中期(妊娠24-28週)における75gOGTTの再検査で耐糖能異常を示さず正常パターンに復しており、false-positive early GDMと診断された。妊娠初期に妊娠糖尿病妊婦において、妊娠初期の無治療のフォローアップ期間に耐糖能のコントロール不良となる妊婦は存在しなかった。 妊娠初期の空腹時血糖は妊娠中期に比べると有意に高く、妊娠初期に診断されたGDMの59%は妊娠初期に空腹時血糖高値を認めていたが、妊娠中期では27%でしか空腹時血糖高値を示さなかった。また、妊娠初期も妊娠中期も75gOGTTでGDMパターンの耐糖能異常を示した妊婦(true GDM)とfalse-positive early GDMの妊娠分娩転帰を比較すると、総じてtrueGDMで悪かった。Large for gestational age(LGA;在胎不当過大児)の率も有意差はなかったものの、false-positive early GDMでは8.7%と一般集団とほぼ変わらない値であったのに対し、true GDMでのLGA率は20%であり多い傾向にあった。 妊娠初期に診断されるGDMは無治療経過観察としても妊娠中期の75gOGTT再検では約半数がGDMと診断されず、現在の日本の診断基準のように、妊娠初期を含めた妊娠全期間にIADPSGの提唱する75gOGTTの閾値を適用すると治療不要な妊婦まで妊娠糖尿病と診断する可能性が高い。したがって、現在の日本の、妊娠初期のGDMの診断は見直されるべきである。
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Research Products
(1 results)