2021 Fiscal Year Annual Research Report
近交系化卵巣明細胞がんモデルマウスの確立と宿主免疫応答の解析
Project/Area Number |
19K18684
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
村上 幸祐 近畿大学, 医学部, 講師 (60734671)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 卵巣明細胞癌 / マウスモデル / 腫瘍免疫 / IL-6 / PD-L1 / IL-17 / 卵巣がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、免疫の研究に適したシンジェニックな卵巣明細胞癌(Ovarian clear cell carcinoma; OCCC)のマウスモデルを作成し、さらにその免疫応答について明らかにすることで、ヒトのOCCCに対する免疫療法の研究へ発展させることを目的として実施した。 2019度から2020年度にかけては、戻し交配(Backcross)の手法を用いて、Arid1aflox/flox;(Gt)Rosa26Pik3ca*H1047Rの遺伝子共変異を近交系マウスであるC57BL/6マウスに組み込むという作業を中心に行った。第8世代の遺伝子共変異マウスの卵巣表層上皮にCreリコンビナーゼ発現アデノウイルスを投与し、安定した発がんを確立した。また、HE染色および免疫組織化学染色法により、OCCCと同様の特徴を有し、IL-6産生腫瘍であることが確認できた。発生したがんについて、複数ラインの細胞株として保存し、さらに、樹立したマウスを京都大学および千葉県がんセンターの研究者へ提供した。 2021年度は、このマウスに抗体薬の投与を行い、生存延長効果について調べるとともに、腫瘍浸潤T細胞についてフローサイトメトリーで発現解析を行った。抗IL-6抗体および抗PD-L1抗体の単独の投与では有意な生存の延長を認めたが、一方で、併用療法では相加効果を認めないことを確認した。また、抗IL-6抗体を投与したマウスでは、コントロールマウスと比較して腫瘍局所にTregが誘導されていることがわかった。さらにIL-17A投与により、局所の腫瘍免疫が活性化することがわかった。 なお、本研究の内容については、第63回日本婦人科腫瘍学会学術講演会(口演、高得点演題)、第80回日本癌学会学術総会(口演)で発表を行った。論文化に向けて準備を進めている。
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Research Products
(2 results)