2020 Fiscal Year Research-status Report
栄養膜細胞の分化に伴う機能変化と妊娠高血圧腎症の発症に関する検討
Project/Area Number |
19K18689
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 達也 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00838500)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 低酸素 / 酸化ストレス / 絨毛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は、妊娠初期における絨毛細胞のmigration、胎盤形成過程を明らかにするために絨毛細胞由来の細胞株であるHTR-SVneo、及び実際に胎盤由来のプライマリートロホブラスト細胞を用いた細胞実験を行った。HIF(低酸素誘導因子)は低酸素のみならず酸化ストレスでも発現が亢進すると報告されている。 子宮内では妊娠初期の低酸素下から、らせん動脈のリモデリングの結果としての再灌流、そして妊娠週数が進むにつれて子宮収縮などに伴う間欠的な再灌流が生じていると考えられる。本年度は低酸素培養だけではなく、実際の子宮環境により近いと考えられる再灌流モデル(低酸素培養の後、通常酸素化での培養)に伴う酸化ストレスの細胞実験のモデル確立を主として行った。 低酸素培養の後に、酸素濃度に戻して細胞を培養することで、細胞質内、核内に酸化ストレスに伴う細胞のmRNAの発現変化が起きていることを確認する確認することができた。 次年度は、本モデルを用いて、HIFの発現を中心にトロホブラスト細胞のmigrationやらせん動脈のリモデリングの仕組みについての検討を進めていきたいと考えている
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低酸素培養のみならず酸化ストレスモデルの確立を行うことができた。 本モデルを用いて、HIFを始めとした着床、胎盤形成に関わる因子についての今後 網羅的に解析していくことを目標としている。
|
Strategy for Future Research Activity |
酸化ストレス下でのHIFを始めとした着床、胎盤形成に関わる因子についての今後 網羅的に解析していくことで、胎盤形成不全に伴うFGRやHDPといった周産期合併症の機序を明らかにすることを目指す。
|
Causes of Carryover |
本年度は培養モデルの確立に時間を要したため、やや資金にゆとりが生じた。 来年度は培養結果の解析を行うため本年度よりも多額の予算を使用する必要があると考えている。
|