2020 Fiscal Year Research-status Report
上皮性卵巣癌の治療過程におけるM2マクロファージの変化と新規治療戦略への応用
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19K18699
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
坪木 純子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (70772408)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 上皮性卵巣がん / マクロファージ / 新規治療戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
当分野では、上皮性卵巣がん(卵巣癌)が進展する過程において、癌微小環境の構成要因の一つであるマクロファージ(Mφ)が腫瘍形成促進の性格を有するM2Mφに分化し、卵巣細胞と共依存的な細胞間相互作用を有していることを初めて報告した。さらに卵巣癌の組織学的悪性度とM2 Mφの浸潤には関連があることも証明している。しかし、手術前後に抗癌剤が主治療となる卵巣癌において、治療経過中のM2 Mφの浸潤度や分化についての報告は存在しない。このことから、診断時のMφの状態がその後の経過も規定してしまうのかどうかは明らかになっておらず、治療過程におけるMφの変化が予後に寄与すると仮定するのであれば、Mφの制御は卵巣癌の治療の柱のひとつとなり得る。 そこで本研究では、抗癌剤による卵巣癌治療がMφの浸潤に及ぼす影響を検討し、予後との関連についての解明を進める。本研究によって、現在注目されている免疫療法の一つとして、卵巣癌治療において、癌細胞をターゲットとしたM2 Mφを制御するという新たな治療戦略の確立を到達目的とする。 現在、当施設で加療を受けた卵巣癌患者の臨床データを収集中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
近年の卵巣癌症例を検討し、化学療法前後の手術検体が存在する症例を集め、それぞれの臨床背景や臨床経過などの情報を集積している途中段階であるが、妊娠・出産に伴い休職中であることから、研究の進捗は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
収集した症例の病理組織学的検討を進めていき、予後との関連を検討していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症対応により、研究計画通りに実施できなかったため。
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