2022 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ節郭清前後のリンパ管機能から考えるリンパ浮腫予防法の樹立
Project/Area Number |
19K18707
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
平山 貴士 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20816962)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | リンパ浮腫 / インドシアニングリーン蛍光造影検査 / リンパ管蛍光造影検査 / リンパ管静脈吻合術 / 卵巣がん / 子宮頸がん / 婦人科癌 / LVA |
Outline of Annual Research Achievements |
特定臨床研究としてCRBの認可を得た2020年よりリクルートを開始し、COVID-19の流行により通院面での不安から研究参加が難しくなる方や、研究期間中に病状が進行しPSが低下した方含めて、5例は中止となってしまったが、現在までに26例のリクルートが完了している。目標症例数の30例まであと4人であり、新規の予定している患者もいることから、7月にはリクルートは終了する見込みである。 現時点までの進捗として、主要評価項目である術前のICGリンパ管蛍光造影の安全性に関しては有害事象は一例も認めておらず、安全に検査を行うことができている。1例のみ、CT検査で使用するヨード系の造影剤でアレルギー反応を認めた方がおり、その方はICGでもアレルギーを起こす可能性があると考え、除外基準に基づき、研究から除外した。副次的評価項目に関しては、仮説を実証する有用な知見が得られ始めている。今までの結果の一部は下記の3点である。①骨盤リンパ節郭清を行う前の時点で既に26例中3例の11%がリンパ浮腫を示唆する所見であるdermal backflowを認めた。②9ヶ月までの観察が終了した15例のうち10例(66%)でdermal backflowやその前段階の様な異常所見を認めた。③術後、1、3ヶ月の時点でdermal backflowを認めた場合でも9ヶ月の時点で改善していることが多い。既報で術前からの経時的な変化を見た研究はないため、上記の①-③の所見は全て新規の知見である。現在は、上記で得られた知見と患者の背景因子との関連を解析中である。本研究の最終エンドポイントは、生来のリンパ管機能とその患者の背景とを複合的に解析して、リンパ浮腫発症ハイリスク群を同定することであり、今までのデータを見ても非常に有意義な結果が期待できる内容であると考えている。
|