2020 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリア蛋白MGARPが関わるステロイドホルモン産生細胞の恒常性維持機構
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19K18708
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
西島 義博 東海大学, 医学部, 講師 (80453710)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | MGARP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はステロイドホルモン産生細胞の恒常性維持機構におけるミトコンドリア蛋白MGARPの役割と発現調節を明らかにすることを目的としている。神経細胞ではMGARPは低酸素刺激でHIF-1を介し発現制御されているが、ステロイドホルモン産生細胞ではまだ十分に確かめられていない。今年度の研究では、ヒト顆粒膜細胞のモデル細胞株であるKGN細胞を用い、1) MGARPの細胞内局在の確認、 2) MGARP発現抑制の細胞生存性・アポトーシスへの影響、 3)低酸素模倣刺激がMGARP発現を増強させるか、について検討した。具体的にはKGN細胞株を用いて以下を検討した:① MGARPの細胞内局在:蛍光免疫染色、② MGARP発現抑制の細胞生存性・アポトーシスへの影響:MGARP siRNAにより一過性発現抑制(Western Blotで確認)を行い、ATPアッセイ、MTS assay、および Annexin V フローサイト解析、③ CoCl2 (0.1 mM)添加で低酸素模倣条件を作りMGARP発現変化を検討。その結果、① MGARPのMt局在が再確認され、② MGARP発現抑制(48h)でATP産生は低下したが、MTS assay, Annexin V フローサイト解析では変化が見られなかった。しかし、③ CoCl2添加6時間後でMGARP mRNAの8倍以上の発現増加が認められた。KGN細胞においてMGARPの一過性発現抑制は可能であったが、現時点までにはMGARPの細胞生存性への明らかな関与を示すことはできなかった。今後、KGNの細胞生存性が堅牢であることを考慮し、酸化ストレスなどアポトーシス刺激を加えるなど実験条件の改良が必要と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19対応により研究に配分できる時間が制限され、研究進捗に若干の影響が出ているほか、KGN細胞の細胞生存性が堅牢であることから、研究計画、実験方法の修正を迫られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きMGARP研究に慣れた研究助手に実験補助をお願いすることになっており研究推進が期待されるほか、酸化ストレスというアポトーシス惹起因子を組み入れることで、堅牢なKGA細胞におけるアポトーシス研究の進展が期待される。
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Causes of Carryover |
(理由)前述の通り、実験の進展に若干の遅れが生じたため、基金制度を活かしその分に必要な額を次年度にまわすことになった。 (計画) 今年度は、実験の補助をおこなってもらう要員の雇用を引き続き行って強化した研究実施体制を維持し、やや遅れていた部分の研究を精力的に進めていきたい。繰越金と本年度分の金額の支出については、これまで通り効率的に実施する予定である。
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