2023 Fiscal Year Annual Research Report
新規領域のPCRを用いた日本における発がん性ヒトパピローマウイルス感染の実態解明
Project/Area Number |
19K18712
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
坂本 人一 金沢医科大学, 医学部, 助教 (00735350)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 子宮頚癌 / HPV / 子宮頚部腺癌 / インテグレート / HPVタイピング |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、これまでの研究データや論文に掲載した内容を学会を通じて研究者とディスカッションした。国際学会の参加を予定していたが、臨床が忙しかったために研究にエフォートを割けずに行えなかった。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果は以下である。 HPV陰性癌とHPV多重感染癌の実態調査のために、HPV陰性癌とされた16症例と多重型HPV感染癌の9症例、そしてコントロールとして単独型HPV感染癌の48症例をマクロダイゼクションと発癌に必須なE6/E7遺伝子領域をターゲットにしたプライマーを用いたPCR法で解析を行った。その結果、すべての多重型感染の原因HPVを特定した。また、HPV陰性癌の約半数はHPVが陽性である偽陰性癌であることが明らかになった。さらに市販のHPV検査と我々が開発した新規アッセイ間で検査結果に不一致を認めた症例があった。それらの結果にHPVが宿主に取り込まれた際に遺伝子欠失を起こす影響を調べるために、HPV E1/E2/E6/L1遺伝子を増幅して調査した。その結果、乖離を認めた症例の多くでE1,E2遺伝子が部分あるいは全欠失があることが明らかになったが、L1遺伝子の欠損は認めなかった。E1/E2 はウイルス取り込みの際に高頻度に欠失する領域であり、これらの症例ではHPV-DNAが高頻度にインテグレーションしている可能性が示唆された。一方で、L1遺伝子の欠損がなかったことから、結果の乖離の原因はアッセイ間のプライマーの問題ではないことが明らかとなった。インテグレート型HPVはエピソーマル型と比べてDNAのコピー数が少ないことがわかっており、乖離の原因としてはHPV検出アッセイの検出感度が関係していると考えられた。
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