2019 Fiscal Year Research-status Report
The exploration of new biomarker for chemo-sensitivity of ovarian cancer based on cancer genome
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19K18713
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
高矢 寿光 近畿大学, 医学部, 助教 (60734689)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / 相同組換修復 / 化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
TCGA(The Cancer Genome Atlas)より乳がんのSNPアレイデータを入手し、HRDスコアを算出した。既に算出した卵巣漿液性癌(HGSOC)とHRDスコアを比較すると、HGSOCと乳がんではHRDスコアの分布が異なっており、HGSOCでHRDスコアが有意に高いという結果を得た。そこで、HGSOCの遺伝子相同組換え修復(HRR)に関連する遺伝子であるBRCA1/2変異とHRDスコアについてエンリッチメント解析を行ったところ、HRDスコアのカットオフ値を63に設定した場合、カットオフ値以上のHRDスコアを有する症例にBRCA変異が濃縮した。また、HRDスコア63以上の症例は63未満の症例に比べて有意に予後が良好であった。これまで、HRDスコアのカットオフ値は過去の報告から42に設定されていることが多く、このカットオフ値が広く臨床試験などにも用いられてきているが、今回統合的な解析を行うことで、HGSOCにおいては63というカットオフ値が適切である可能性を示した。 次にHGSOCの自験例で、腫瘍サンプリング後に化学療法を行い、化学療法後に手術を行った9症例を抽出し、化学療法前後の腫瘍検体についてOncoScan FFPE Assay Kit(ThermoFisher Scientific)を用いて全ゲノムコピー数解析を行いHRDスコアを算出した。その結果、9例全例で化学療法後にHRDスコアが減少するという結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度では乳がんのがんゲノムデータの入手解析と自験例でのHRDスコアの解析までを予定しており、当初の予定通りの進捗状況と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度で検討した9症例について、化学療法前後の腫瘍検体を用いてターゲットシークエンスを用いたHRD関連遺伝子の変異の有無、メチル化解析、遺伝子発現解析を行う。ターゲットシークエンスの対象となる遺伝子群の抽出はすでに終了している。これらの結果を統合して、化学療法耐性などのバイオマーカーについて検討を行うことを目標とする。
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Research Products
(3 results)