2022 Fiscal Year Research-status Report
EBウイルス関連microRNAによる上咽頭癌治療後の予後推定法の開発
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19K18725
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
青木 由宇 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (00837172)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | BART miRNA / EBV / 上咽頭がん |
Outline of Annual Research Achievements |
上咽頭がんはほとんどの症例で Epstein-Barr Virus (EBV) が発がんに関与しているとされており、EBウイルス関連上咽頭がん細胞から産生されるmiRNAである BamHI A rightward transcript miRNA (BART miRNA) は44種類確認されている。これまで最も鋭敏な血中バイオマーカーとされてきたEBV-DNAコピー数は腫瘍の体積と相関するため、腫瘍が微小な場合はEBV-DNAコピー数定量法の感度が下がるという欠点がある。また、保険収載されているEBV抗体価測定法では、がん完治後も陽性が持続することが少なくないため、特異度が低いとされ、いずれも早期での再発・再燃の有無の評価は困難と考えられた。 そこで、必ずしも腫瘍体積と相関せずに、がん細胞から活動的に産生されるmiRNAを見だすことに着目した。EBVがコードする44種類のBART miRNAから、腫瘍の体積によらず多量に患者血中に存在するものを見だせれば、上咽頭がん患者の微小な腫瘍の残存・再発病変を早期にとらえることが可能となり、補助化学療法の適用や早期の再発の診断が可能になる点が臨床的に意義深い。 また、アポトーシスや壊死をきたしたがん細胞由来とされるEBV-DNAに対し、BART miRNAは生きたがん細胞から活動的に産生されるため、生きたがん細胞の生物学的な活動状態を反映しており、BART miRNAの機能を解析することで、どのBART miRNAががんの活動状態を解明してゆく。2021年度までに上咽頭がん細胞2種類を培養させたうえで、44種類のBART miRNAを網羅的に解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の全国蔓延に対する影響で行動制限などにより遅延が発生している。
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Strategy for Future Research Activity |
BART miRNAについて、上咽頭がんの治療前後の患者血中コピーをそれぞれ定量する。
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Causes of Carryover |
COVID19の行動制限自粛の影響が解除され、今後も注意しながら進めていく予定である。
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