2020 Fiscal Year Research-status Report
超音波診断装置を用いた唾液腺腫瘍の3D血流診断法の確立
Project/Area Number |
19K18730
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
松田 枝里子 鳥取大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (40569274)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超音波診断 / 唾液腺腫瘍 / 血流評価 / 3D |
Outline of Annual Research Achievements |
唾液腺腫瘍の超音波診断において、Bモードの所見やドプラモードによる血流の所見は腫瘍の鑑別に有用であるが、現在の血流評価は任意の1断面(2D)での評価であるため、腫瘍全体の血流の分布や程度を把握しにくいという難しさがある。 本研究では、唾液腺腫瘍の腫瘍血流を様々なモードを用いて3D画像化し、各腫瘍の3D血流の特徴を明らかにした上で、最終的にはBモードと3D腫瘍血流の所見を合わせた診断アルゴリズムを確立することを目的とする。 当該年度は、前年度に決めた手技を活用して検査をおこなった。探触子の圧迫による血流低下を防ぐために、ゼリーを多く使用することに加えて、当該年度から硬めのゼリーを購入して検査をおこなうこととした。これにより、今までよりもゼリーを高く盛ることができ、フェザータッチを実現しやすくなった。 唾液腺腫瘍の超音波検査では、Bモードの評価に加え、カラードプラとパワードプラ、低流速モードを用いて腫瘍血流の評価をおこない、これらを3D画像化した。パワードプラではスキャンの動きなどによるアーチファクトの混入によりノイズが入りやすい傾向にあった。カラードプラは血流の方向によって色分けされており、3D画像化すると色が混在して複雑になってしまうため、色調の処理などさらなる工夫が必要と考えられた。それらと比較し低流速モードは、血流の走行を明瞭に3D画像化でき、アーチファクトの混入が少なく微細な血流まで捉えることが可能であった。各腫瘍の血流所見の特徴については現在データをまとめている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、業者等の立ち入り制限や、学会など情報収集および意見交換の場が激減したために、前年度の内容を継続して進めていく方針としたが、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在得ている情報を元に、改善すべき点を見直し、必要があれば模擬腫瘍を用いた血流実験で検証を行う。今後は病理学的な検討を加えていく。
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Causes of Carryover |
初年度に組織切片3D再構築ソフトを購入予定であったが、減額により購入が困難で残額が生じた。現在は別の方法を検討中で、決まり次第その購入費とする予定である。また、研究発表および情報収集にも使用する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響で、学会や研究会がweb開催に変更になったため、予定していた旅費の支出がなくなり残額が生じた。旅費に関しては今後の見通しが立たないが、学会が現地開催されれば次年度に使用し、そうでなければ物品費にあて、必要な物品が購入できるよう計画を変更する。
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