2019 Fiscal Year Research-status Report
がん遺伝子シグナル経路の網羅的解析による頭頸部がんの病態解析と新規治療法の開発
Project/Area Number |
19K18731
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
牧野 琢丸 岡山大学, 大学病院, 助教 (50648706)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | MACC1 / サイトカイン / がん遺伝子 / 早期声門癌 / 再発 |
Outline of Annual Research Achievements |
Metastasis-associated with colon cancer 1(以下MACC1)は、PI3K/AKTシグナル経路を介してさまざまな悪性腫瘍の病態に関与している。しかし、頭頸部癌とMACC1の関連については報告がない。 本研究では、頭頸部癌におけるMACC1の発現を調べ、さらにPI3K/AKTシグナル経路がどのように病態に関与しているかを調べ、MACC1以外にも検出された因子があれば、臨床因子との関連を検討する。 具体的には、ヒト頭頸部癌症例の手術・組織生検の際に切除した組織を用いてPI3K/AKTシグナル経路関連因子の網羅的検討を行う。採取した組織を用いて遺伝子アレイ解析を行う。アレイ解析では多くの因子に発現の変化がみられることが予想され、予後や治療効果などの臨床データとの関連性を調べることにより、それらの因子の臨床的意義を解析し、重要と思われる因子の絞り込みをおこなう。絞り込まれた因子に関して組織中の局在を免疫組織学的に検討する。臨床的に意義深い可能性のある因子に関して、ヒト培養癌細胞株を用いた検討を行う。これらの検討により、MACC1をはじめそれぞれの因子が臨床経過に悪影響をもたらす原因を分子レベルで明らかにする。さらに、頭頸部癌モデルマウスを用いて、ヒト腫瘍組織での検討を通じて絞り込まれたPI3K/AKTの関連因子について、免疫組織学的検討により確認し、PCR法により定量評価する。 以上により、MACC1、PI3K/AKTシグナル経路に注目し、頭頸部癌に対する新規治療法やバイオマーカーの確立を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず早期声門癌におけるMACC1発現の有無と放射線治療後もしくは化学放射線治療後再発の関連について検討を行った。MACC1強陽性の早期声門癌では有意に再発しやすいことを確認したため、論文投稿を行い、受理された。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は多施設研究での規模拡大、マウスを用いたMACC1発現による治療抵抗性の機序の検証をはじめとした基礎研究を行う。その結果に基づき、さらにMACC1が早期声門癌における放射線治療抵抗性のバイオマーカーとして臨床応用できるかの前向き研究を検討している。
|
Causes of Carryover |
物品の購入は業者を選定することにより、予定使用金額を下回った。また、本年度は予定していた基礎研究に着手できておらず、次年度以降に開始を予定しているため次年度使用額が生じた。
|
Research Products
(8 results)