2020 Fiscal Year Research-status Report
慢性副鼻腔炎における好中球機能とTLR4およびTREM-1の協調的作用について
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19K18735
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
森山 宗仁 大分大学, 医学部, 助教 (60769834)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | TREM-1 / TLR4 / 好中球 / 自然免疫応答 / 副鼻腔炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然免疫の中心的役割を担う好中球におけるTriggering receptor expressed on myeloid cells (TREM-1)とToll-like recepter4(TLR4)が協調的に働くことによって、細菌の貪食能を含めた自然免疫応答を増強すると報告されている。本研究ではこれまでマウスで行ってきた研究をヒトの鼻副鼻腔の粘膜組織に応用し、 鼻副鼻腔炎粘膜においてTREM-1発現とTLR4が協調的作用しているかどうかを検討することである。そのために昨年度に続き、内視鏡下鼻副鼻腔手術を行う慢性副鼻腔炎患者に対して、手術の際に切除し廃棄する鼻副鼻腔粘膜の組織を採取した。その組織の一部を固定し切片を作成した。今年度はHE染色に加えTREM-1の免疫染色を行いTREM-1の発現を確認した。確認したところTREM-1の発現はわずかに認めるのみであった。また、昨年同様にフローサイトメ トリーにてTREM-1陽性細胞の割合を確認したところ、同様に数%程度しか存在していなかった。その際に分離した抽出液にてsTREM-1をELISAにて測定するために検体処理を追加した。今年度はサンプル数を増やし昨年度と同様の研究を行い、同様の結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍下では、副鼻腔手術が感染のリスク要因となっていたため、一時期副鼻腔手術が中止となったため、研究に必要なサンプルを採取することができなくなったため、進歩状況が遅れている。現状の感染が落ち着き、通常の体制に戻り次第研究を進行する。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプル数をもう少し増やすことと、サンプル数を増やした上で、ELISAキット使用しsTREM-1の発現頻度を確認する。また、RT-PCRにてTREM-1の定量的解析を行い、鼻副鼻腔粘膜中の好中球とTREM-1について総合的に評価を行う。 同様にしてTLR4の発現に関しても評価を行う。
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Causes of Carryover |
(理由) 本年度行った実験に用いた試薬、物品の購入を行なったが、コロナ禍で一部揃わない試薬、物品もあった。 また、十分なサンプル数が採取できなかったため次年度に繰り越しが生じた。そのためデータ不十分であり英文校正や論文投稿などその他の費用を用いなかったことに加えCOVIDー19の影響で学会出張旅費が生じなかったため次年度に持ち越した。 (使用計画)TREM-1解析のための各試薬や物品の購入を引き続き行う。COVID-19が落ち着けば、海外学会の参加を検討する。
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