2020 Fiscal Year Research-status Report
嚥下機能における大脳皮質第一次運動野Top-down入力の修飾機構の解明
Project/Area Number |
19K18742
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
西嶌 嘉容 獨協医科大学, 医学部, 講師 (30743132)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 嚥下機能 / 嚥下パターン受容器 / 大脳皮質嚥下運動野 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究では、マウス大脳皮質嚥下領野の観察窓を作製する手術および同領域に緑色カルシウム感受性蛍光タンパク質G-CaMPをアデノ随伴ウイルスを用いて注入し発現させる技術を習得し高い確率で生体観察を行う実験系を確立することができた。
本年度の研究では、大脳皮質嚥下運動野がいかに嚥下機能に関わっているか、その役割の一端を解明するために嚥下機能障害モデルの作製を行った。嚥下に関連する皮質からのTop-down入力の他に嚥下バターン受容器(Central Pattern Generator;以下CPG)へ入力する神経およびCPGから出力する神経が存在する。我々の検討で、麻酔下のマウス前頸部よりアプローチしCPGへ入力する神経および出力する神経の同定を行ったが、入力する神経はアプローチが難しく同定する過程で前頸筋および嚥下関連筋を一部損傷する可能性がある一方で、出力する神経の同定については比較的容易に行うことができた。さらに、同神経を片側のみ切断後に前頸部を閉創し一定期間飼育することが可能であることが分かった。一方で両側を切断した際には致命的な嚥下障害をきたし生存期間が極めて短くなる個体が多く、片側切断による反対側神経および中枢の代償性の応答および出力変化についても検討を行うことが可能であることが分かった。
今後は、嚥下機能障害モデルの嚥下評価を行い、嚥下の相による大脳皮質嚥下運動野の活動の相違あるいは変化を生体マウスでとらえることを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスの嚥下機能に関連する末梢神経を同定し切断するモデルを樹立し、同マウスにおいて2019年度に行った大脳皮質嚥下領野の可視化技術と組み合わせて今後の研究を展開できる目途がついた。
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Strategy for Future Research Activity |
嚥下機能障害モデルの障害内容を嚥下タイミングと重症度に分けて定量化する。また、実臨床における球麻痺による嚥下障害モデルの作製も検討する。 さらに、マウスが嚥下を行っているタイミングにおける大脳皮質嚥下領野の生体イメージングを行うための実験系構築を行う。
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Causes of Carryover |
値引き交渉により費用が抑えられたため。 物品試薬・実験動物含め実験系を用いて継続して研究を行っていく。
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