2019 Fiscal Year Research-status Report
術後鼻粘膜における創傷治癒促進因子の解明および細胞シートによる機能的再建法の確立
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19K18746
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
大村 和弘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90599713)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 粘膜創傷治癒 / 半夏瀉心湯 / 有茎粘膜弁 / 繊毛運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウサギの鼻副鼻腔粘膜損傷部位の粘膜上皮化及び生理機能を促進する因子の検討として下記の2つの実験を行った。 ウサギモデルを作製する際に採取した鼻副鼻腔粘膜を培養し、半夏瀉心湯と用いたものと生理食塩水を洗浄液として用いたもので生理的機能及び粘膜創傷治癒機能の改善度合いを比較した。 生理機能に関しては、ハイスピードカメラ:Photron FASTCAM MC2.1-10Kを用いた繊毛運動評価を行う、photron FASTCAM MC2.1-10Kを用い、1/500 secにて、繊毛一本一本( 白丸 )の動き( Cilliary Beat Frequency )を測定した。 半夏瀉心湯を用いたものが、生理食塩水を用いたものに比べて有意に働いた。 ウサギの鼻中隔粘膜欠損モデルは、欠損部位に対し有茎粘膜弁と遊離粘膜弁を用いて、創傷治癒に関して評価した。血流の豊富な有茎粘膜弁が血流のない遊離粘膜弁より粘膜創傷治癒効果が高く、生理機能も術後早期から温存できることが証明できた。 これらは世界で初めての報告であり、有茎粘膜弁モデルの検討に関してはLaryngoscopeでの論文化が完了した。半夏瀉心湯の効果に関する論文も現在投稿中であり、追加実験中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19のため、年度の後半は研究計画に多少の遅れは出ているものの、論文化も進み、順調に研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
粘膜シートを作製し、粘膜創傷治癒に関しての研究を開始する。 予定の変更は特になし。
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Causes of Carryover |
研究結果の論文化に注力したため、動物実験の新たな研究に関してはCOVID-19の影響もあり新規機材の購入が必要なかったため。
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