2019 Fiscal Year Research-status Report
活性化組織好酸球に発現するCD69の機能的役割の解明
Project/Area Number |
19K18749
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
尹 泰貴 関西医科大学, 医学部, 助教 (60620755)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 好酸球 / CD69 / 好酸球性副鼻腔炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、同一の患者の炎症局所から単離した組織好酸球と末梢血好酸球を用いて、CD69分子の機能的役割の解明と活性化制御に向けた新たな分子標的薬の開発につながるマイルストーンになる研究となることを目的としている。これまで、ヒト副鼻腔組織より適切に好酸球を単離する方法がなかったため、活性化した組織好酸球を解析した報告は全くおこなわれていなかったが、本年度では、好酸球性副鼻腔炎患者からの手術標本のサンプルからの高純度で好酸球を単離する方法を確立した。実際には、鼻茸組織と末梢血から比重分離法とフローサイトメーター、セルソーターを用いて好酸球を多量かつ高純度に単離した。単離した好酸球の細胞膜に発現する活性化マーカーの1種であるCD69の発現を組織好酸球と末梢血好酸球にて評価をおこなった。結果、組織好酸球においてCD69の発現が増強しており、末梢血好酸球と比べて活性化していることがわかった。さらに、CD69は活性化マーカーとしてだけではなく分子機能的役割も他の血球系細胞にて報告されている。しかし、好酸球においてはCD69の機能的役割は未だ不明であり、特異的なリガンドも同定されていない。そのため、クロスリンキング法を用いて好酸球に発現するCD69を刺激する動物実験をおこなった。結果、CD69を刺激するとマウス好酸球において好酸球特異的タンパクの一種であるeosinophilic peroxidaseの脱顆粒を誘導することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
好酸球性副鼻腔炎患者の手術サンプルである鼻副鼻腔組織(鼻茸組織)より高純度で組織好酸球を単離することができた。単離した好酸球をフローサイトメーターにて解析する手技を確立することができた。しかし、本年度予定していたCD69の発現の有無により分類分けした好酸球の次世代シーケンサーによる遺伝子発現の解析は未だ施行できていない。 理由としては、研究に使用できる手術サンプル数が十分ではなかったためであるが、次年度では手術サンプル数の確保により上記実験を施行する予定である。 CD69の発現の有無により好酸球での遺伝子発現の差異を認めれれば、ターゲット遺伝子の解析を施行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
鼻茸組織中好酸球は活性化マーカーであるCD69を、同一患者の末梢血好酸球と比べて強度に発現し、好酸球の機能に関連することが示唆された。CD69の発現量(活性化の程度)に注目し、どのように好酸球が活性化し、細胞内での変化が起こるのかを次世代シーケンサーを用いて解析を行う予定である。また、好酸球に発現するCD69の特異的なリガンドが同定されていないため、新規タンパク質の同定を目指す。実際には、免疫沈降法を用いて活性化した好酸球に発現するCD69を免疫沈降させ、付着しているであろうタンパク質を単離。質量解析を用いてタンパク質同定を目指す。
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Research Products
(2 results)