2020 Fiscal Year Research-status Report
HIF1α阻害剤を用いた睡眠時無呼吸症候群治療の検討
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19K18751
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
雜賀 太郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70509299)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 低酸素 / 睡眠時無呼吸 / モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は低酸素環境(コンベンショナルエリア)でのマウス飼育を可能にしてきた。マウスが睡眠をとる日照時間(8時から20時まで)に限って酸素濃度を5%低下させた状態で2週間飼育し、その後血清を回収し、酸化ストレスや抗酸化力への影響、血清サイトカインを測定した。装置内酸素濃度は酸素コントローラを用いて一定に維持されるように設定した。サイトカインの測定については複数のサイトカインを同時に測定することが可能であるLuminex 200を用いて検討している。その結果、通常の大気で飼育したマウスと比較して、血清IL-5やIFNgが増加する可能性が示唆された。また、この2週間の低酸素環境による身体的負荷に伴って、血清回収時には有意に体重が減少していた。一度に可能なマウス数に制限があるため、複数回の実験で確認し、確からしい結果を認めたところで、随時報告していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画どおりに実験機器を準備しつつ、遂行できている。母数を増やすことによって確からしい結果も得られると考える。本実験系で変動をきたしたサイトカインを確認し、それらが増加する疾患モデルを合わせて実行することで、睡眠時低酸素となる刺激が各疾患に及ぼす影響を推測することが可能になると考える。睡眠時呼吸症の病態を検討するうえで有意義なモデルとなりうると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
低酸素飼育における血清サイトカインの変動を確認し、全身性炎症の有無や、大気中飼育のマウスと比べて、血圧や血中の脂質量などに変化が生じるかどうか、また脳内への影響が生じるものなのか、レプチンやメラトニンなど睡眠に関連する分子の変動を確認する予定である。今回の実験系で誘導できる低酸素がどの程度の低酸素環境かについてはマウスの覚醒下パルスオキシメーターを用いて検討したい。
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Causes of Carryover |
予定していたサンプル量に到達せず、実験に用いる試薬購入の時期が遅れたため、次年度使用額が生じた。前頁に記載したように、低酸素飼育時のマウスSpO2を経時的に測定し、低酸素の程度を確認する。また、サイトカイン測定も追加し、変動を確認していく計画である。
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Research Products
(1 results)