2019 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子解析による鼻副鼻腔悪性黒色腫新規治療標的分子の同定
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19K18754
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
対馬 那由多 北海道大学, 大学病院, 助教 (50547643)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 耳鼻咽喉科学 / 悪性黒色腫 / 遺伝子解析 / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
予定では、1年目は臨床データ解析と保存検体を用いた遺伝子解析を行うこととしていた。本研究が科学研究費助成事業として認められたため、当院の臨床研究事務局に研究内容を提出して認可を得た(鼻副鼻腔悪性黒色腫における病態解明に関する探索的研究 )。 当院における鼻副鼻腔悪性黒色腫の臨床データ解析を行い、その内容は国際学会で発表を行った(ICORL2019 演題名:Validity of endoscopic resection and postoperative radiation therapy for treatment of sinonasal malignant melanoma)。局所制御は8割以上の症例で得られていたが、ステージ4の症例では全例に遠隔転移を認め、その予後は不良であることが改めて確認された。現状の標準治療が手術及び術後放射線照射であり、その目的は局所制御である。当院の治療成績は局所制御の割合から現状の標準治療として目的が達成されていると言うことはできるが、遠隔転移の制御がなされなければ更なる向上が望めないと考えられた。 遺伝子解析に関しては測定の対象となる遺伝子変異やタンパク質レベルの発現を過去の論文などを参考に決定した。当院保存検体を取り寄せ、プレパラートの中で腫瘍が最も含まれているスライスを同定した。今後は対象となるスライスの標本を切り出し、予定している遺伝子解析を開始することとしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定であった臨床データの集積、解析に関しては概ね予定通りの進捗状況である。一方、遺伝子解析に関しては対象となる手術検体の決定までとなっており、解析自体はできていない。 遺伝子解析の状況からやや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
対象となる手術検体のスライスは決定できているため、準備ができ次第DNAを抽出し、次世代シークエンサーを用いてターゲットシークエンス解析を行う。またRNAシークエンス解析も行う予定である。 今年度には得られた臨床データと遺伝子情報を融合し、遺伝子変異がどのように遠隔転移や全生存率と関連しているかの解析を開始する予定としている。
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Causes of Carryover |
当初予定していた遺伝子解析に関して、対象となる手術検体の決定までとなっており、解析自体はできていない。そのため、解析に必要な経費が使用されず、次年度使用額が生じた。 令和2年度は準備ができ次第DNAを抽出し、次世代シークエンサーを用いてターゲットシークエンス解析を行う。またRNAシークエンス解析も行う予定である。
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Research Products
(4 results)