2019 Fiscal Year Research-status Report
血清エクソソームを用いた口腔癌の再発転移マーカーの探索
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19K18759
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
木下 崇 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (00648462)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔癌 / エクソソーム / microRNA / プロファイリング / 血清 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開始年度である本年度は臨床検体の採取およびエクソソームの分離方法の最適化を行った。 臨床検体については口腔癌患者21症例から採血を施行し1200gにて10分遠心分離をした後に血清を回収し-80℃にて保管している。また、早期癌で腫瘍検体の採取が出来なかった2例を除いた19例で腫瘍および正常粘膜の採取し-80℃で保管している。臨床情報の解析も同時に行い、現在のところ再発例7例を確認している。今後も同じ割合で症例を積み重ねれば2020年度中盤には目標とする再発例10例および無再発例10例の選別が可能と考える。 また血清からエクソソームを分離する方法について予備的な実験を施行した。まずは当初予定していたポリマー溶液による沈殿にて血清からエクソソーム分離を試みた。得られたエクソソームから得られたRNAの収量は比較的多いものの、エクソソームマーカー以外のタンパク質の夾雑物が多く、純度の観点から本研究に適さないと判断した。そこで、エクソソームの表面に露出しているホスファチジルセリンに結合するT-cell immunoglobulin domain and mucin domain-containing protein 4(Tim4)を固相化したビーズを用いたキット(MagCaptur Exosome Isolation Kit PS)を使ってエクソソームの分離方法の最適化を行った。予備実験では血清1.5mlからの抽出でsmall RNAシークエンスに必要な量のRNA収量が得られることが明らかとなった。また分離されたエクソソーム分画はエクソームマーカーであるCD9およびCD63が陽性であることをウェスタンブロットによって確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エクソソーム分離方法の変更はあったものの予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は更に症例を重ねて、目標の再発例10例および無再発例10例の選別を行う。その後にMagCaptur Exosome Isolation Kit PSでエクソソームの分離を行いRNAの抽出を行う。得られたRNAはbioanalyzerを用いてクオリティーチェックをし、RNAシークエンスへ移行できるか検討していく。
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Causes of Carryover |
次年度はRNAシークエンスを行う予定であり、初年度に比べて支出が多くなることが予想されるため繰越金を使用させていただく。
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