血清エクソソームを用いた口腔癌の再発転移マーカーの探索

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K18759
• Research Institution: Chiba University
• Principal Investigator: 木下 崇 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (00648462)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 口腔癌 / エクソソーム / microRNA / プロファイリング / 血清

Outline of Annual Research Achievements

昨年度に引き続き、エクソソームの分離方法の最適化を行った。当初の計画で当初予定していたポリマー溶液による沈殿によるエクソソーム分離では夾雑物が多かったため、エクソソームの表面に露出しているホスファチジルセリンに結合するT-cell immunoglobulin domain and mucin domain- containing protein 4(Tim4)を固相化したビーズを用いたキット(MagCaptur Exosome Isolation Kit PS)を使ってエクソソーム分離を施行した。予備実験では血清1.5mlからの抽出でsmall RNAシークエンスに必要な量のRNA収量が得られることが明らかとなった。また分離されたエクソソーム分画はエクソームマーカーであるCD9およびCD63が陽性であることをウェスタンブロットによって確認している。
本年度も昨年度に引き続き口腔癌患者から臨床検体の採取を継続した。これまでに口腔癌患者40症例から採血を施行し1200gにて10分遠心分離をした後に血清を回収し-80℃にて保管している。また同時に37例で腫瘍および正常粘膜の採取し-80℃で保管している。臨床情報の解析も同時に行い、現在のところ再発例8例を確認している。新型コロナウイルス流行していた4月から6月にかけては学内の方針で研究目的の臨床検体採取を休止していたため予想よりも検体採取が遅れている。そのため当初の予定である再発例10例および無再発例10例の選別は来年度になる見込みである。目標症例に到達しない場合は症例数を減らしてエクソソームの分離を行い、small RNAシークエンスを行う予定である。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルス流行していた4月から6月にかけては学内の方針で研究目的の臨床検体採取を休止していたため予想よりも検体採取が遅れている。

Strategy for Future Research Activity

今年度は更に症例を重ねて、目標の再発例10例および無再発例10例の選別を行う。目標症例に到達しない場合は症例数を減らしてエクソソームの分離を行い、small RNAシークエンスを行う予定である。

Causes of Carryover

当初よりも臨床検体採取が遅れていたため本年度中にRNAシークエンスを施行することができなかった。繰り越した予算で次年度施行する予定である。