2021 Fiscal Year Annual Research Report
血清エクソソームを用いた口腔癌の再発転移マーカーの探索
Project/Area Number |
19K18759
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
木下 崇 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (00648462)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | エクソソーム / 細胞外小胞 / microRNA / 口腔癌 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔癌において手術治療後の再発および転移は大きな予後不良因子であり、それを予測するバイオマーカーの発見と分子メカニズムの解明は急務である。近年、癌細胞が血液中に分泌するエクソソームが癌の進展・転移を助長することが明らかになってきている。本研究では口腔癌患者の再発転移を治療前に予測するバイオマーカーを探索すべく、血清中エクソソーム中に含まれるmicroRNA (miRNA)のプロファイリングを行った。 当院にて手術治療を施行した舌癌9例(再発例5例および非再発例4例)の術前血清1.5mlからMagCaptur Exosome Isolation Kit PSを用いてエクソームを単離し、RNAを抽出した。抽出したRNAからQIAseq miRNA Library Kitを用いてライブラリーを調整し、NextSeq500によりsmall RNAシークエンスを行った。再発群と非再発群の比較から再発群で優位に発現が上昇しているmiRNAを複数同定することができた。また、同一症例の癌組織から抽出したRNAを用いてsmall RNAシークエンスを施行した。血清エクソソームと癌組織の発現を再発群と非再発群で比較すると必ずしも発現の傾向が一致しないということが明らかになった。 再発群の血清エクソソームで発現が上昇していたmiR-154-3pについてin silicoの解析を行うと、Rhoシグナルに関わる遺伝子群(RhoA、ROCK1、VAPB、FAM13A、ARHGAP20およびARHGAP26)を制御している可能性が示唆された。Rhoシグナルは癌の転移・浸潤に関わっていることが知られているが、今後はmiR-154-3pが実際にRhoシグナルを制御しているかどうかについて、細胞株およびマウスを用いて検証していく予定である。
|
Research Products
(4 results)