2021 Fiscal Year Research-status Report
320列ADCTを用いた下咽頭癌術後嚥下機能障害の解析
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19K18766
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
丸尾 貴志 愛知医科大学, 医学部, 講師 (00774118)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 頭頸部癌術後嚥下障害 / 嚥下機能改善手術 / 320列ADCTによる嚥下機能解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
下咽頭癌治療後の嚥下動態を320列ADCTで定量的に解析することを目的に2018年4月から2021年3月まで症例を集積し解析を行ってきた。再建弁近傍の粘膜は動きが悪く、また再建された皮弁の種類により咽頭腔の完全閉鎖が困難だったこと、また切除された嚥下関連筋群の種類により、嚥下動態に変化が生じつつも、回復とともに新たな嚥下動態を獲得していることがわかった。新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、研究に使用できる検査枠が制限され、8例の集積で中断している。これまでの解析結果について鋭意論文を作成している。さらに今回の研究でわかった嚥下動態では、残存組織の動きを助けるような再建が必要なこと、切除された組織の機能を完全に代償するのは困難なことが確認できた。この結果より、咽頭腔の圧形成には咽頭腔をやや狭く、それを維持できるような厚めの皮弁が必要なこと、また残存組織が正常時と同じようにあるいは代償性により強く動いてくれるよう、残存組織損傷を低侵襲にすべきことが再確認できた。これらより咽頭や喉頭の嚥下動態に影響の少ない低侵襲な嚥下機能改善手術を開発した。舌癌再建後、術後化学放射線療法後の晩期嚥下障害症例に対し、嚥下改善手術を行った。嚥下機能の主体は残存組織のため、残存組織への影響を少なくするために皮膚切開範囲と剥離範囲を極力小さくし、手術を施行した。また、輪状咽頭筋切断術は、経口的に行った。安全に施行でき、効果も得られたため、その術式について2022年の嚥下医学会シンポジウムで紹介した。術式に関する論文も作成予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスにより、症例集積に制限があったが、新たな嚥下動態の理解は進んだ。 新たな知見を活かした術式開発には貢献できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究結果をまとめ論文化していく。頭頸部癌再建術式の改善・開発を、次の研究で展開・発展させるため、他領域の研究者とともに、検討している。
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Causes of Carryover |
論文作成と投稿に主に使用する予定。次の研究展開への情報収集にも使用予定。
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