2019 Fiscal Year Research-status Report
Otx2蛋白質によるマウス聴覚可塑性制御の分子基盤の解明
Project/Area Number |
19K18769
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
枝松 緑 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (10735343)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 神経科学 / 聴覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,聴覚可塑性におけるマスター遺伝子の最有力候補であるOtx2がどのような作用機序で可塑性を制御しているのか,その分子基盤を含めて解明することを目的としている。まず生後の聴覚野特異的なOtx2下流遺伝子の探索を行い,抽出された遺伝子を聴覚野へ導入し,可塑性への影響を指標にOtx2の下流遺伝子を同定することを目指す。 哺乳類の脳機構は出生時は未熟であるが,生後の発達早期に自己の経験を通じて急速に発達する。この時期を臨界期と呼び,様々な外的刺激に応じて,神経回路は柔軟に形成・再構築され(経験依存的可塑性),成長と共にこの柔軟な神経の可塑性が失われていく。本研究が発展することにより,人工内耳治療やリハビリテーション領域に基礎的知見を提示できることのみならず,聴覚中枢の障害修復や,脳機能再建療法の開発へも繋がると考える。 令和元年度は,生後発達期において,聴覚の臨界期に発現が上昇し,臨界期終了と同時に発現が低下する分子を抽出し,聴覚野の可塑性制御関連分子を絞り込むため,臨界期が形成される前後ならびに臨界期中のマウス大脳皮質聴覚野の組織を回収し,次世代シークエンサーを用いたRNA-Seq解析により生後発達依存的な遺伝子発現プロファイルの解析を行なった。また生後の聴覚可塑性におけるOtx2の役割を明らかにするため,Cre/loxPシステムによる時期特異的なOtx2欠損マウスを用いて同様にRNA-Seq解析を行い,Otx2の下流で働く遺伝子の絞り込みを行い,正常マウスのものと網羅的比較解析を行うことで,覚野の可塑性制御関連分子の絞込みを試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では令和元年度に可塑性制御関連分子の絞込みを終え,組織学的発現解析を行う予定であったが解析が当初の予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度については,聴覚野の可塑性制御に関連する候補遺伝子の絞り込みを終え次第,それら関連遺伝子の局在を検討していく。
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Causes of Carryover |
令和元年度に計画していた可塑性制御関連分子の絞込むための解析が遅れており,令和2年度にその解析を行うための費用とする。
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