2022 Fiscal Year Research-status Report
近赤外分光法による聴覚野の活動計測~難聴医療への臨床応用をめざして~
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19K18789
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Research Institution | Shizuoka Prefectural Hospital Organization |
Principal Investigator |
金沢 佑治 地方独立行政法人静岡県立病院機構静岡県立総合病院(救急診療部、循環器病診療部、がん診療部、臨床診療部, 臨床診療部, 医長 (20524367)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | odd ball task |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では脳機能イメージング、特に近赤外分光法(near-infrared spectroscopy, 以下NIRS)による聴覚検査としての診断的意義を検討した。具体的には、定常状態を一定に保つために、restingの時間を調節する、計測データを被験者にフィードバックする、などの手法を用いて信頼性の高いNIRS計測を行う実験系を確立すること、既存の臨床指標を用いて得られた聴覚野におけるNIRS信号の臨床的指標としての妥当性を明らかにすることである。また、本研究では、聴覚野におけるNIRS信号から、自律神経活動によって起こる信号を、数式をもちいて分離するアルゴリズムを用いることで、信号ノイズ比を高めて実験を行った。正常成人6名に対し、気持ちを落ち着かせることを事前に伝えるだけでなく、実際のNIRS信号の波形を見せてフィードバックを行ないながら、基線が安定するようにコントロールできるかを試みながら、繰り返し実験を行った。6名中3名においては、聴覚課題に伴うNIRS信号の変化がはっきりと認められた。一方で、3名においては、課題とは全く無関係にNIRS信号が変動していた。この原因として、定常状態(rest)時の波形を安定化できなかったために、計測がうまくできなかったことが考えられた。今後はNIRS信号の臨床的意義について検討するため、上記で得られた聴覚課題に伴う聴覚野の活動の指標であるβと既存の臨床的指標(純音聴力検査や語音聴力検査)の相関分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の流行により、被験者のリクルートが行いにくい状況があるため
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の影響が緩和されたため、被験者のリクルートにより研究が進捗すると予想している
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で被験者のリクルートが十分にできなかった。今年度は被験者を募り、安定したNIRS計測の実験系を確立する必要があり、その上で聴覚野におけるNIRS信号の妥当性について、既存の臨床的指標を用いて検証する
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[Presentation] 難聴の疾患特異的QOL尺度(SSQ)日本語版の信頼性・妥当性の検討2022
Author(s)
金沢佑治, 山本典生, 水野佳世子, 堀 龍介, 岡上雄介, 和田忠彦, 佐藤進一, 吉澤 亮, 木谷芳晴, 松原 彩, 内藤 泰, 山崎博司, 道田哲彦, 吉田尚生, 大森孝一
Organizer
第123回日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会
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