2019 Fiscal Year Research-status Report
上咽頭癌腫瘍微小環境におけるエクソソームを介した免疫寛容機構の解明
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19K18800
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
阿河 光治 金沢大学, 附属病院, 医員 (90756230)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 上咽頭癌 / 腫瘍関連マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
Epstein-Barrウイルス(EBV)関連上咽頭癌組織は病理学的にリンパ上皮腫といわれるほど著しい細胞障害性T細胞(CTL)が浸潤している.これら機能していないCTLに対して免疫チェックポイント阻害剤が著効すると予想されたが,その効果は予想を下回るものであることが判明した.そこで,galectinはM2型の腫瘍関連マクロファージを誘導すること,上咽頭癌細胞はEBV癌蛋白LMP1発現エクソソームを分泌すること,そして,LMP1はgalectinを誘導することから,この免疫抑制機構にはM2と呼ばれる腫瘍関連マクロファージの誘導機構活性化が関与することが推察される.本研究では,仮説「上咽頭癌腫瘍微小環境においてEBV癌蛋白LMP1発現エクソソームが腫瘍関連マクロファージを介して免疫寛容を誘導する」を検証する.すなわち,1. LMP1発現エクソソームの細胞内からの放出機構と2. 放出後の腫瘍関連マクロファージへの影響を解析する. 本年は上咽頭癌におけるマクロファージ(M1型+M2型,M1型,M2型)の判定のため、M1/M2型マクロファージを解析(マーカー組み合わせ M1型+M2型:Iba1,M1型:iNOS,M2型:Arginase1)の条件設定を行った。M1、M2マクロファージを同定するためのiNOSとArg1の検出の条件を確立した。 また、EBV感染様式には潜伏感染と溶解感染があり,どちらの状態が腫瘍関連マクロファージに寄与しているか検討を行うために、まず上咽頭癌患者30症例の生検組織連続切片を選定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
条件設定に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
すでにマクロファージ研究を行っている研究室に助言をいただき、研究を円滑に進める。
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Causes of Carryover |
実験キット購入のため次年度使用額が生じた。細胞培養系の維持や免疫染色、PCRにかかる費用として次年度に使用する予定である。
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