2019 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部扁平上皮癌を高悪性化させるRNAスプライシングバリアントの同定
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19K18804
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北村 公二 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40804365)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 頭頸部扁平上皮癌 / RNAスプライシングバリアント |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)は喫煙、飲酒が原因となり発生する予後不良な疾患である。近年、ゲノムワイド関連解析によりHNSCCの発癌に関連した遺伝子変異が明らかにされつつあるが、一方でHNSCCの悪性度を規定する分子メカニズムはまだ不明である。本研究ではRNAスプライシングに着目し、その機能の破綻により生成される異常な遺伝子転写産物(RNAスプライシングバリアント)およびタンパク質がどのようにHNSCCの悪性度に関与するか、その分子メカニズムを解明することが目的である。 当該年度はスプライシング制御因子SF3B2を強制発現したHNSCC細胞株を用いて、in vitroでの細胞増殖能または免疫不全マウスに移植した腫瘍の増殖能を評価した。その結果、いずれにおいてもSF3B2高発現細胞株において細胞および腫瘍の増殖能が亢進していることが確認された。次にSF3B2を強制発現させた細胞株やRNAiにより機能抑制を行った細胞株を用いてゲノムワイドな遺伝子発現変化、スプライシングパターンを明らかにするためにRNAシークエンスを行った。さらにSF3B2がどの部位に結合しスプライシング制御を行っているかを確認するためPAR-CLIPを行った。現在、これらの結果を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既にグループ内で確立された実験系を用いたため滞りなく実験を行うことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度の解析結果をもとに候補遺伝子が見つかれば検証実験を行う。
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Causes of Carryover |
当該年度で得られた結果から今後検証実験を行うため、必要な核酸やマウスなどの物品購入に必要である。
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