2021 Fiscal Year Annual Research Report
直線加速度刺激装置を用いたP2X2受容体ノックアウトマウスでの耳石器機能の研究
Project/Area Number |
19K18805
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原田 祥太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10824740)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | P2X2レセプター / 前庭機能 / 前庭動眼反射 |
Outline of Annual Research Achievements |
P2X2受容体は、陽イオン透過性イオンチャネル内蔵型受容体であり、陽イオンの調整を行っており、内耳にもこの受容体は存在する。この受容体は、内耳内リンパ腔の組成イオンであるカリウムイオンの調整にも関与している。我々の研究室では、P2X2受容体のKOマウスを所有しており、そのKOマウスに対して、今回前庭機能の評価を行う事とした。当研究室では、以前の研究でP2X2RKOマウスでは、半規管機能が低下していることを確認した。今回の実験では、もう一つ存在する前庭器官である耳石器についてその機能評価を行った。耳石器の機能評価には、耳石器動眼反射を用い、耳石器への刺激は、直線移動による直線加速度を用いた。直線加速度の刺激方向として、両耳間軸と鼻尾軸に直線加速度が付加されるように直線移動させ、加速度刺激は、3段階で変化させた。耳石器動眼反射の評価法は、我々が評価法を開発した、垂直方向の眼球の偏倚角度を用いて行った。比較対象として、WTマウス、P2X3RKOマウスを用い、P2X3受容体は内耳には存在しておらず、同種の受容体のノックアウトマウスを用いて評価を行った。 P2X2KOマウスとWT、P2X3KOマウスでは、耳石器動眼反射に有意な差は認めなかった。 この結果からP2X2受容体は半規管機能に影響を及ぼすが、耳石器機能には影響を及ばさないことが推察された。この原因は不明であり、今後の課題である。
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