2021 Fiscal Year Research-status Report
好酸球性副鼻腔炎の病態におけるエンドカンナビノイドシステムの寄与についての研究
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19K18810
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
梅本 真吾 大分大学, 医学部, 助教 (10771991)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 好酸球性副鼻腔炎 / カンナビノイドレセプター |
Outline of Annual Research Achievements |
好酸球性副鼻腔炎(ECRS; eosinophilic chronic rhinosinusitis)は組織中への著しい好酸球浸潤を特徴とする難治性の副鼻腔炎である。確実に有効な治療法はステロイドのみであり、長期投与においては副作用の懸念が大きい。他方、近年脂質メディエーターの免疫系への関与、調節機構が注目されており、内因性のカンナビノイドは脂質メディエーターとして認知されている。カンナビノイドレセプターはタイプ1 (CB1R)、およびタイプ2 (CB2R)の2種類が同定されており、このうちCB2Rは主に免疫担当細胞に発現が認められる。更に内因性カンナビノイドはCB2R通じて免疫系のバランスをとる機能があり、体内の状況に応じてその受容体の増減が認められることが明らかとなっている。つまり、CB2R発現が増強した際の外部からのカンナビノイドの投与は、病態の修復を促す可能性が考えられている。 現在、ECRSの病態における内因性カンナビノイドシステムの寄与について検討を進めている。ECRS患者から手術の際に採取した組織を用いて、パラフィン包埋組織から切片を作成し、酵素抗体法を用いてCB2R免疫染色を行った。上皮下における単位容積あたりのCB2R陽性細胞数を画像解析アプリケーションを用いて評価したところ、ECRSは他の病態(非好酸球制服鼻腔炎、嚢胞性疾患)と比較して、副鼻腔粘膜下にカンナビノイドレセプター(CB2R)陽性細胞が有意に多く認められることが確認された。 申請者はすでに、これまでに得られたデータの一部にについて論文化して発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度~令和3年度にかけて、コロナウイルスを取り巻く医療環境により実験計画が大きく左右されており、特に感染防御の面から特に副鼻腔炎の手術については手術を延期することが推奨されている。更に新型コロナウイルス関連の治療が優先される状況において、良性疾患であるECRSについてはコントロール対象となる他の疾患についても新たな検体を採取することが困難となっている。 以上より、検体は既存のパラフィン標本を用いた評価に寄らざるを得ず、その他の解析が遅れていた。 そこで、パラフィン標本を用いた評価を拡充することである程度のデータを取得する方針としている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた部分のデータについては論文化している。 新たな検体の取得は限られており、有効なデータとしては用いることができない可能性が高くなっている。そこで、パラフィン標本を用いた評価を拡充することである程度のデータを取得する方針としている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、良性疾患である副鼻腔炎の手術患者が減少(延期もしくは中止)したため、本研究に必要なサンプルが十分に得られず、各種消耗品の次年度使用額が生じた。次年度も継続して実験を行うため次年度使用額は消耗品費として使用する予定である。
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