2021 Fiscal Year Annual Research Report
宿主リン酸化酵素阻害による喉頭乳頭腫の新規治療の開発
Project/Area Number |
19K18812
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
川瀬 友貴 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (10761968)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 喉頭乳頭腫 / 宿主リン酸化酵素阻害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では次の3点を明らかにすることを目的としている。(1)喉頭乳頭腫のpatient-derived xenograftを作成する(2)喉頭乳頭腫の培養細胞モデルを作成する(3)宿主のリン酸化酵素阻害による喉頭乳頭腫の抑制。Patient-derived xenograftの作成では、手術により採取した喉頭乳頭腫組織を細切した後マトリゲルに懸濁し、超免疫不全マウスであるNSGマウス(NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJ)の皮下に移植する。12週間観察し腫瘍の生着が見られた場合、腫瘍を採取し同様の処置にて次代のNSGマウスに移植する。安定して継代によりpatient-derived xenograftモデルとして確立する。培養細胞の樹立では、手術により採取した喉頭乳頭腫組織を細切した後に、マトリゲルあるいはコラーゲンに包埋した状態で培養する。培養液として通常のDMEM等の他に、ケラチノサイト専用の培養液や、線維芽細胞によるフィーダーを設ける等の工夫も行う。上皮細胞の成長が確認されればゲルごと採取し、培養液に懸濁後さらに次代の培養を行う。癌やウイルスの研究において種々のCDK阻害薬が利用可能である。Patient-derived xenograftでは、マウスにこれらのCDK阻害薬を投与し、また培養細胞モデルでは培養液にこれらのCDK阻害薬を追加し、腫瘍あるいは細胞の増殖の抑制効果を確認する。さらに、腫瘍組織あるいは細胞から蛋白質を抽出し、ウェスタンブロットによりRNAポリメラーゼIIのCTDのリン酸化についても併せて検証する。培養細胞ではフローサイト メトリーにより細胞周期への影響の有無についても確認する。 本年度は(1)(2)を中心に研究を進めてきたが、patient-derived xenograftおよび培養細胞モデルの樹立には至っていない。
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