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2021 Fiscal Year Research-status Report

デジタル電子顕微鏡三次元再構築法による嗅球カルレチニン免疫陽性ニューロンの解析

Research Project

Project/Area Number 19K18825
Research InstitutionKawasaki Medical School

Principal Investigator

野津 英司  川崎医科大学, 医学部, 助教 (80388933)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords嗅球 / 電子顕微鏡 / シナプス / カルレチニンニューロン
Outline of Annual Research Achievements

嗅球は匂い情報を処理する一次中枢であり、嗅粘膜で受容した情報を処理し、より高次の領域へと投射する。この匂い情報の処理過程には嗅球の投射ニューロンと種々の介在ニューロンが形成する神経回路が重要な役割を果たしていると考えられている。本研究では嗅球に存在する主要な介在ニューロンである傍糸球体細胞の中でもっとも多数を占めるサブポピュレーションの1つでありながらその神経回路についての解析が進んでいないカルレチニン免疫陽性ニューロンの回路の解析を行っている。従来カルレチニン免疫陽性ニューロンはその多数がGABA免疫陰性を示すと報告されてきたが、GABA抗体を用いた免疫染色において、蛍光標識によるに免疫反応性を詳細に計測した結果、カルレチニン免疫陽性ニューロンの反応性は全体的に低いながら、多様な染色強度を示すことを確認した。しかしながら、傍糸球体細胞においてGABA免疫陽性ニューロンとして知られているtyrosine hydroxlase免疫陽性細胞と比較すると明らかにその強度は低く、GABAを含有しているとしてもその量は明らかに少ないことが示唆される結果が得られた。また、シナプス前部において、GABAをを伝達物質として用いるニューロンのマーカーであるvesicular GABA transporterとカルレチニンが共存する部位はごく希にしか認められず、そのシナプス数が非常に少ないことが可能性として考えられる結果となっている。電子顕微鏡による観察においては、カルレチニン免疫陽性ニューロンへ入力するシナプスは認められるが、出力するシナプスが今のところ確認出来ておらす、電子顕微鏡による観察からもシナプス数が少ないことが示唆される結果となっている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

従来予想と異なり、カルレチニン免疫陽性ニューロンが形成するシナプスの出現頻度が低く、その形態についての十分な知見を得るために時間がかかっている。これまでに観察した嗅球の他の介在ニューロンでは、抑制性シナプスは形態的に検出が困難な場合もみられたので、シナプスを同定する基準となるシナプス間隙・シナプス小胞の発達が顕著ではない可能性も考えられる。また、抗体の浸透性の関係から、当初計画していた細胞全体を電子顕微鏡レベルで観察することが困難であり、一定範囲での解析を行っている。

Strategy for Future Research Activity

嗅球カルレチニンニューロンの神経回路についてはこれまでの結果からシナプスの出現頻度が低いことが考えられるため、光学顕微鏡レベルでのシナプスマーカーを用いた解析を進める。GABAニューロンに認められるvesicular GABA transporter (VGAT) がこれまでのところ確認出来ていないので、VGATとともに異なるマーカでも解析を行う。また、電子顕微鏡で一定範囲のカルレチニンニューロンを網羅的に解析し、そのシナプスの出現頻度や可能であれば形態について明らかにする。

Causes of Carryover

本研究では免疫染色の手法と光学顕微鏡および電子顕微鏡標本の作製に用いる試薬類に
作成した電子顕微鏡標本を用いての解析に時間がかかったため、標本の作製数が予定より少なくなったため、必要なし薬類の使用量が減少したために次年度使用額が生じている。この使用額はこれまでと同様に抗体の購入および標本作製のための試薬類の購入に使用する計画である。

URL: 

Published: 2022-12-28  

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